安倍内閣の医療・介護まるごと、大企業の「儲け」のために利用する政策を止めよう!(NEWS No.483 p01)

医問研例会では、毎回臨床薬理論文を批判的に読むことが、寺岡氏により解説され議論しています。
これは、世界的に意義のない薬や検査が効果があるかのように結論され、しかも「世界的権威」のある医学雑誌にも掲載されている状況があることを明確にする作業となっています。
これらの論文にねつ造も混じっていることは降圧剤ディオパン事件でも明らかです。

今、安倍内閣は「健康・医療戦略推進法案」を14年5月に成立させています。
その法律に基づき、政府の機構として「内閣官房」に「健康・医療戦略室」、「独立行政法人日本医療研究開発機構」が作られ、省庁間の調整を行うことになっています。

この法の4本柱は、

  1. 世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発等に関する施策、
  2. 健康・医療に関する新産業創出及び国際展開の促進等に関する施策、
  3. 健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関する教育の振興・人材の確保等に関する施策、
  4. 世界最先端の医療の実現のための医療・介護・健康に関するデジタル化・ICT化に関する施策

があげられています。

4.の中には「特定検診データと連携させた医療分析と健康把握、検査データを使った生活習慣病の重症化予防がなどが入っています。
これらこそ「病気作り」を基本戦略とする、製薬や医療機器産業の目標かと思われます。

他方で、医師数がOECD34カ国中で29番目という医師不足に象徴される医療従事者不足があります。
多くの、特に病院勤務の医師や看護師は激務に疲れはてています。
同時に現在の病院は「急性期」と「慢性期」に分けられ、「急性期」では単価が高い病気は入院させるが、単価の低い病人はすぐに退院するように迫られています。
このことの意味は、医療機器での多くの検査と抗がん剤などの高額な薬品を使う患者しか病院に残れないことになります。

私たち医問研は、医学的に無用な検査(検診を含めて)、同無用な薬剤の氾濫に対して闘うことが活動の柱になっています。

最近の成果としては、「抗インフルエンザ薬」について、日本小児科学会に働きかけ、昨年末「軽症のインフルエンザには推奨しない」という正式な文章を出させました。
現在、学会内やマスコミを通じて広く周知させようとしています。これで、無効有害な薬の使用が大幅に減少する可能性があります。

11月29日に、医療・介護の集会が大阪で開催され、その集会への報告を以上のようにまとめました。

はやし小児科 林