2008年9/5-7栄養改善学会に参加してきました。今回初めて鎌倉の地を訪れ,大仏様も見てきました。印象に残った点を少しご紹介しておきます。
まずランチョンセミナーから2つ。「これからのNST−ますます期待される栄養士の役割−」と題して南大和病院の藤井真氏が講演されました。 NST(Nutrition Support Team,栄養サポートチーム)は掛け声の大きさとは裏腹に活動休止状態のところも多いそうです。今回の講演は,そのあせりの表れかと思いました。NST は,代謝・栄養学を専門とする医師,栄養士,薬剤師らによって,多職種による専門的な栄養管理チームの必要性が提唱されたのが始まり(1970年,米国の シカゴ)といわれています。その後全米,さらに欧州諸国へと急激に伝播しましたが,日本では長年にわたり受け入れられませんでした。1998年以降,兼業 兼務システムの考案により導入が進んだと言われます。しかしその目的は「最低のライフサイクルコストで必要な機能と価値を創出する組織的努 力」(Value Engineering,VE)とされていて,内容も成分栄養(経腸栄養剤の使い方など)に偏っているのです。今回もアルギニン製剤の宣伝に主眼があっ て,「糖尿病にはアルギニン製剤」と宣伝していました。「これが本当に栄養士の仕事なのか?」という感じでした。
「病院から在宅までの栄養管理」(北美原クリニック 岡田晋吾氏)では退院後の栄養補給について詳細な事例報告がなされ,興味深いものでしたが,重点は やはり経腸栄養剤の使い方にありました。確かに栄養状態は改善するのだろうけれど,これでは栄養士の仕事とは言えないという思いを強くしました。
あとメタボリック・シンドローム関連の話題を少し。「新たな特定健診・特定保健指導の取り組み」というシンポジウムでは,筑波大学の久野譜也氏が「大学 発ベンチャー企業による科学的根拠に基づく保健指導」という大層な講演をされました。結局,体脂肪率を下げるためには食事制限ではだめ,ウォーキングもだ め,自分達が指導する筋力トレーニングがベストという宣伝でした。日本全国を筑波大方式で指導するんだそうです。今後メタボ健診の後で「筋力トレーニン グ」をやれって言われるようにになるかもしれませんね。
また日本学術会議は意味不明の公開講座を好んで開催していますが,9/22には「気をつけよう!若い女性の『やせすぎ』」と題する講座を開き,住友病院 院長の松澤佑次氏(メタボ健診推進の張本人)があいさつされたそうです。一方で腹囲測定を勧めながら一方で「やせ」に警鐘を打ち鳴らす。出世する人は違う なと関心しました。
2008.9 Y