本「EBMの道具箱」 ダグラス・バデノック/カール・ヘネガン 著  斉尾武郎 監訳  中山書店

EBMについて書かれた本は沢山出版されています.僕がEBMを勉強し始めた4年前は日本語の本があまりなかったのですが,今では本当に分かりやすい本 が増えました.そのなかでもこの「EBMの道具箱」はずば抜けて良くまとまっており,短時間でEBMの概略をとらえるには最適です.なんといっても薄い! わずか87ページのなかにEBMのステップ1から4までが,簡潔に,ポイントをおさえて解説されています.日本語訳もこなれていてよみやすく,本のデザイ ンも良い!親しみやすい可愛い本です.

EBMのみならず活躍しておられる斉尾先生が,原本を訳すだけではなく,かゆいところに手が届くような解説を追加してくれています.例えば情報検索の章 では,yahooの検索からMedlineの使い方,二次文献についてまで解説されており,現実的で実用性の高い内容になっています.信頼できる医学デー タベースは何か,それはどこで使えるのかを自分で調べるのは本当に大変です.この本の情報はまだ新しくて信頼出来ますし,紹介されているデータベースをど んどん試してみたいものです.それぞれのホームページのアドレスが記載されているのでわざわざ調べる必要もありません.リンク切れもあるようです が,yahooやgoogleを使って検索していくうちに,知らずとインターネットにも馴れて,EBMの基礎が形作られていくことでしょう.

さらに理解を進めたい場合はこの本の中にも紹介されているEBM関連の書籍をどんどん読み進めていくのがよいでしょうが,骨子に関してはこの本で十分だ と思います.日本語の本が紹介されていないのは残念ですが,さっそくパソコンを前にして検索をしてみませんか?みなさんがこの本を使って最短の時間と,最 小の手間でEBMを自分の物にされることを祈っています.

(T)

医問研ニュース 2003年4月号