薬のコラムNo.129:薬害根絶フォ−ラムに参加して

11月16日,第4回薬害根絶フォ−ラムに参加した.薬害被害者団体連絡協議会が主催する集会で,初めての参加だった.いつまでたってもなくならない日本 の薬害.私たちがEBMを唱え,科学的な医療を追求することの大きな意味が薬害問題に表現されていないだろうか.そんな観点からの参加だった.

大きく二部構成になっており,一部は各薬害被害者からの訴えだった.MMRワクチン禍のKn,Kw氏からの訴えは,病気でもないのに被害にあってしまっ た無念さがにじみ出るものだった.ヒト硬膜移植によるCJD家族の訴えは,現在なお日本の薬害が,構造的に生み出されている事を示すものだった.

ついでサリドマイド,薬害スモン,HIV,大腿四頭筋短縮症などの被害者が自らの経験を語った.特に印象的だったのは,大腿四頭筋短縮症被害者自らが会 を作り参加してきたという事実である.その規模や実態はわからないが,被害顕在化当時の自主検診団とのタイアップにまで広がればいいなとも思った.

第二部はどうすれば薬害をなくせるかのシンポジウムだった.「構造薬害」の著者,片平氏の概括と,各被害者団体からの提言を受けた.MMR被害児を支援 する会の栗原氏は,予防接種被害の特殊性を力説し,すべての情報公開の元での行政改善を訴えた.サリドマイド被害者の?氏は,現在,(多発性骨髄腫への 薬?として)サリドマイド剤が秘密裏に流通している現状について言及した.効果判定をきっちりとすること,何よりも使用した際の副作用情報を把握できるよ うにすることが急務であるという訴えであった.

多くの宿題をもらい,あっという間に過ぎた一日であった.薬害根絶に向け,行政の安全性軽視に対する改善要求が重要であることをあらためて認識した.そ の運動主体はやはり被害者であるし,我々は末尾であろう.薬剤が有効であるかを科学的に追求することが我々の力点であり,もっとがんばらなくてはと思う. 加えて薬の必要性,そして特に安全性分析についての科学的方法論の確立が,今後我々が中心となるべき大きな宿題であろう.

(Y)

医問研ニュース 2002年12月号