新型コロナ罹患による死亡とワクチン接種後死亡の比較分析(NEWS No.550 p03-2)

背景

2021年2月より日本で「仮免」ファイザー社の新型コロナウィルスワクチン接種が始まった。最初に接種対象となった20-70代の医療従事者に対しては2月17日から4月末までに一回目の接種が1764504人、二回目の接種が1042998人に対し行われた。

また引き続き65歳以上の高齢者への接種が4月12日から始まり、4月30日まではすべて一回目の接種で180199人に対し行われた1)

この間、安全性を無視したワクチン接種への大合唱が始まり、安全なワクチンの供給チェックや、出現してきた副反応の分析や予測される副反応への治療の対策などが無視されて来ている。さらには若年齢層への接種拡大も行われつつある。そんな中で、こういったワクチン対策の是非についての分析が急務と思われる。そこで、以下の目的について検討した。

目的

1.医療従事者へのワクチン接種後死亡と同年代のコロナ罹患死亡の比較

2.65歳以上の高齢者接種後の死亡報告と接種から死亡までの時間分析による因果関係の検討

3.ワクチン接種後死亡報告症例の厚労省の因果関係検討の科学性について

以上を通じて現在の接種システムの問題点を指摘する。

方法
1.

医療従事者の分析;2019年の20-70代までの10歳年齢群別総人口2)を分母とした、1月から4月30日まで(実際は週ごとの集計のため5月3日までの新型コロナ罹患死亡数の累計比率3)と、同じく10歳年齢群別の医療従事者ワクチン接種推計数を分母とした厚労省発表のワクチン接種後死亡数4)の比を比較した。ワクチン接種者数については、4月30日までの医療従事者の10歳年齢別接種推定数については、国立病院機構など約20000名のコホートスタディから20-70代までの接種人口割合を用いて推定した5)

結果

上記から以下のデータを得た。

なお、60代、70代の接種後死亡については、医療従事者と65歳以上の高齢者が混在しているため、65歳未満すべて及び65-70代の4月30日までの一回目接種者は医療従事者としてカウントした。私がデータ化できた接種後死亡の総計は136名、高齢者死亡は101名と推定(61回検討部会では5月30日までに死亡累計は196名に達したとされる)。

表から明らかなように、ORは少なくとも20-40代は接種後死亡がコロナ死亡を95%の信頼区間で有意に上回った。もちろん、人年をベースにした罹患率比較が必要であるが。

2.高齢者接種から死亡までの時間分析

ワクチン接種後死亡の136例のデータベースは、第58 6)、60 5)、61回厚労省科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討会…調査会7)の医療機関からの報告症例一覧より作成。

それによると、全死亡136例中、70歳以上107例のうち、54例が接種翌日以内の死亡である。突然死の統計は不十分であり、死亡に占める24時間以内の死亡についての正確な統計はないが、10-15%程度と推定されている8)。それと比較しても、約半数が接種翌日までの死亡とはあまりに恐ろしい。紛れ込みにしてはあまりに接種との時間が短いといえるのではないか。

3.死亡報告症例の具体的報告と因果関係評価の問題点。

まず症例を3例示す。3例とも第60回検討部会資料4)より引用。事例No.は同資料の死亡症例85例中の番号。

a. 25歳男性(事例46) 精神異常・自殺 基礎疾患なし

4/23 16時一回目接種。4/25(土)友人と。38度 立ち眩み、手の震え。帰宅後母に電話し実家にかえった。「土日からおかしな症状。」4/26朝職場に相談電話。休息指示。4/27出勤。 9:30異常な行動。徘徊など。精神科医診察。

妄想状態など。父面会して「いつもと様子違う」。昼38.1度。精神科病院入院を勧められるも父はここで見てと。17:00 精神病院に向かう途中車から飛び降り交通事故。21時死亡 評価不能。

明らかな意識変容であるし、自殺ではないことも明白。

a. 90歳女性(事例16) 肺動脈塞栓血栓症 基礎疾患なし。

4/22 13時 接種。 発症日時4/24とされたが。接種1.5時間 喘鳴、呼吸苦、SpO2 85% 血圧91/51(接種前118/70)、エピペン、血圧回復するも喘鳴回復せず、QQ。呼吸器症状前面にあり、肺動脈塞栓血栓症と診断。4/24死亡。関連あり or 評価不能。

136例の死亡例の中にはこれ以外に47歳、94歳の肺動脈塞栓血栓症の報告もある。血栓症による副反応はアストラゼネカワクチンで有名だが、ファイザーも注意。

a. 92歳f(事例26) 老衰 基礎疾患なし 4/26 10:00接種。同日無尿。急性腎不全、4/28死亡 評価不能。それまで特に基礎疾患のない高齢者が接種同日急性腎不全となって死亡したこの報告は恐ろしい。

136名の中には87歳、接種同日に腎不全でなくなったとされる報告もある(それ以上の詳細不明)。

58、60、61回の厚労省の報告からは、ワクチン接種と死亡の因果関係を認めないバイアスが随所に見受けられる。さらに、第61回検討部会からは不完全ではあったが、資料から死亡報告の詳細すら消えてしまった。寝たきりでほとんど動かず、周囲が持ち込まなければコロナ感染はありえない人に無理やり接種し、死期を明らかに加速させ、しかも経過を追えないような今の高齢者への接種体制は早急に中止しなければならない。

結論

以上みてきたように、Pfizerワクチンは、少なくとも20-40代にとっては新型コロナに罹患して死亡するよりワクチンで死亡する方が多いと推定される。また、高齢者にとっては紛れ込みというにはあまりに接種から死亡原因の発症までが短い例が多い。しかも、安全性をフィードバックするはずの厚労省が何とか死亡とワクチンの関係を無しにしようとする意図、救急時のフォローアップ体制の不備が明らかな体制で接種されるワクチンである。

このようなワクチンは中止すべきであり、少なくとも副作用情報の詳細分析を含めた全開示、個別接種など、観察が行える体制での接種体制への変換をすべきと考える。

参考文献

1)新型コロナワクチンについて|首相官邸ホームページ(kantei.go.jp)

2)人口推計2019年10月 統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2019年(令和元年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳),男女別人口・都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐(stat.go.jp)

3)新型コロナウィルス感染症死亡者性・年齢階級構造(日本、2021/5/3時点)
国立社会保障・人口問題研究所「新型コロナウィルス感染症について」
新型コロナウイルス感染症データ(ipss.go.jp)

4)第60回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要

5)同
新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)

6)第58回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分 科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要

7)第61回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分 科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について
3.報告症例一覧 医療機関からの報告

8)疫学から見た我が国の突然死の実態 _pdf(jst.go.jp)