劣化ウラン弾について(NEWS No.603 p06)

イランの核施設3か所に対し、米大統領トランプがバンカーバスター弾で攻撃したという情報が6月23日付の朝日、毎日新聞に掲載された。これはそれから4カ月以上経った今日のガザ、ヨルダン川西岸におけるイスラエルのネタニエフ政権の占領を支えるトランプのその後の政策に連なるものであり、あらためて劣化ウラン弾の非人道性を調べてみた。

6月23日の朝日新聞など報道からの抜粋

トランプ米大統領は21日、イラン中部に位置するフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設3カ所を攻撃したと発表した。米紙ニューヨーク・タイムズによると、フォルドゥでは、B2ステルス爆撃機6機から米国製の大型特殊爆弾「バンカーバスター」12発が投下された。ナタンズとイスファハンの核施設には、米海軍の潜水艦から巡航ミサイル「トマホーク」30発が発射された。初期評価ではフォルドゥの施設は使用不能になったという。地下奥深くにつくられた施設を破壊するために特殊爆弾「バンカーバスター「GBU57」13.6トン」が使われたと報じている。トランプは「偉大な米国の軍人たちに祝辞を贈る。世界中でこの任務を遂行できる軍隊は他にない。今こそ平和のときだ!」と主張した。

バンカーバスター弾と劣化ウラン弾について

バンカーバスター弾とは地中深くまで貫通し、爆発する兵器である。上記のGBU57弾 は地中61mまで貫通するという。また、通常兵器として使った場合でも、劣化ウラン弾は戦車の装甲をも突き破ることもわかっている。湾岸戦争の時すでにこのような兵器を安価で作るためには、高密度、高硬度ではあるが放射性物質であるため、各国が処理に困っている劣化ウラン弾を使う以外にないという指摘がなされ、実際、使われてきた。湾岸戦争では、戦争に従事したアメリカ軍人から、退役後、放射線障害である湾岸戦争症候群といわれるがんやその他の健康被害が続出したため、大きな問題となったことは記憶に新しい。貫通度の高いバンカーバスター弾GBU57弾も劣化ウラン弾であることは明らかであり、イランでも今後放射線障害にも注意してみていく必要がある。

劣化ウラン弾は各国どのくらい持っているか


金属におけるウランの位置

次に、比重や硬さという観点から劣化ウラン弾についてみてみる。

表は鉄や鉛に比べ比重が大きく、硬い金属を順番に並べたものである。最も比重の大きい金属はオスミウムやイリジウムの触媒として用いる希少金属、プラチナや金は高価、銅や銀もしかりである。いわゆるウランも高価である。このように見てくると、鉄や鉛以上に貫通性の高い武器としても使えるものは劣化ウラン弾以外にはないことがわかる。

以上、数点について劣化ウラン弾について示した。もちろん現在のガザ、ヨルダン川西岸のパレスチナ人の置かれている状況はこの2年間で6万人の死者など、劣化ウラン弾の被害だけでなく、筆舌に尽くせない。これらについては、11月の医問研例会で、医療文献も含めて改めて報告する予定である。了

山本 英彦