2025年12月21日、日本教育会館でワクチントーク全国集会が開催され、参加した。
ワクチントーク全国集会は1990年に結成され、35年間、一度も途切れることなく続いている。当初から子どものワクチン被害を救済し無くすため、子どもと家族を中心に、教員や医療関係者なども加わって作り上げてきた運動体で、母里啓子代表の時から、私たち医療問題研究会も参加してきた。今回のテーマは主にHPVワクチン被害が如何に大きいかという点、有効性はどうなのかという点であった。
午前の部は薬剤オンブスパーソンの副代表である隈本邦彦氏、HPVワクチン薬害九州訴訟原告団代表梅本邦子氏、金城大学の打出喜義氏の三氏が問題提起をした。
隅本氏は「HPVワクチンどうします?」と題し、厚労省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会からの資料などをもとに、「子どもの定期接種13種」に比べ、HPVワクチンの副反応疑い報告頻度は7.3倍、重篤報告は6.0倍(接種100万回あたり疑い報告35.6対258.8、重篤例報告24.8対149.6)と高いことを示した。また、国の研究費を使った「HPVワクチンの有効性と安全性の評価のための大規模疫学研究」論文では、「前がん病変に対するHPVワクチンの有効性を統計的有意差をもって示せなかった」ことも明らかにした。他方で、20歳以上の2年に1回の子宮頸がん検診では、前がん病変を見つけることができ、検診受診者の死亡を減らすことができることが示された。
梅本邦子氏は「HPVワクチン被害の実態」と題して発表。冒頭、前提としてHPVワクチンを巡る疫学情報を概説した。「HPVはありふれたウイルス、性経験者の50-80%は感染経験あり」「感染しても90%は2年以内に自然消失」「子宮頸がんはHPV感染者の0.15%」「頸がんに至るまでには数年から十数年かかる」「ウイルス型は約200種」などに言及。
HPVワクチン接種後の共通症状として、多彩、遅発症状あり、日内変動、寛解と増悪の繰り返し、治療法なしなどを示した。また、いったん十数年間接種中止となっていたワクチンが2022年積極勧奨開始後、全身疼痛、倦怠感、脱力、視覚障害、歩行困難、学習障害、睡眠障害、光過敏、音過敏、しびれなど、以前と同じ症状を示すようになってきたと述べた。協力医療機関への新規受診者は、ワクチン再開前の19年度、20年度、21年度がそれぞれ7,14,16名だったが、再開後の22年度、23年度、24年度は137,146、379名と増加してきていると示した。また、厚労省の2014年副反応検討部会で示されたように、神経学的疾患、中毒、免疫反応、心身の反応のうち、心身の反応とされ、「接種の痛みと痛みに対する恐怖が惹起する機能性身体症状」「思春期特有の不定愁訴」「他の疾患の紛れ込み」「社会的要因によるストレス反応」というレッテルを貼られるようになったことを強調した。これらの結果、詐病扱い、心無い言葉、心療内科や精神科への丸投げ、受信拒否などの対応が現状として示された。また、平成26年1月の厚労省ワクチン副反応検討部会では、参加者15名のうち関係企業から援助を受けていなかった人は15名中4名だけだった点も明らかにした。このような中で、梅本氏らが中心となり、2016年7月、東京、大阪、名古屋、福岡で全国一斉提訴に踏み切り現在審議中である。最後に梅本氏は被害者が奪われている権利として「人格権の侵害」、「医療を受ける権利」「教育を受ける権利」「勤労の権利」を挙げ、「被害者たちが望むのは健康を取り戻すことと普通の暮らし」であり「国のやるべきことはいったん立ち止まりきちんと検証すること、健康被害にあった人たちの治療を含めた救済と人生被害の救済ではないでしょうか」と結んだ。
打出氏は産婦人科医の立場から、子宮頸がんワクチンは不必要であることを示した。まず、子宮頸がんの罹患数/死亡数からみると、乳がんに比べはるかに低いことを強調した。
次いで、Sexデビュー後、女性の大部分はHPVに感染すること、感染してもその90%は自然に治ること、子宮頸がんの発症は持続感染者の1%ほどであること、正常な免疫状態の女性で子宮頸がんに進行するには15年から20年かかること、子宮頸がんの予防法にはワクチン以外もあることを示した。次に一次予防から三次予防までの予防医学からみた子宮頸がんの予防について言及。一次予防の発症そのものの予防には主に10代の若年男女を対象とし、HPVワクチン、性感染予防教育、喫煙防止など。二次予防である早期発見、早期治療として 20歳以上の女性を対象に子宮頸がん検診(細胞診、HPV検査、コルポスコピー、生検)。三次予防である診断・治療を受けた女性全般を対象とした再発・進行の防止、QOLの維持として、手術・化学療法・放射線治療、術後フォローアップ、緩和ケアなどがあることを示した。最後に打出氏は、ワクチン接種で3つの大切なこととして①ワクチン接種前の十分な説明、②被接種者の理解と同意、③副反応発生時の十分な対応を強調した。
午後の部は、ワクチントークの事務局として、支えている古賀氏、青野氏からのHPVワクチン被害やコロナワクチン、成人も含めた帯状疱疹など他のワクチンの実態の紹介、北海道ワクチントークの氏からの活動報告、MMRワクチン被害児の親として40年活動してきた栗原氏の行政等への活動報告など、ワクチン被害の実態報告にとどまらない、行政や司法への活動などの報告に胸を打たれた。
最後に医問研ニュースの本紙面で2024-27年版のアメリカ小児科学会にあるHPVワクチンの種類と有効性について私なりにまとめてみた。HPVウイルスは200種類以上に分かれる。が、多くの種類はがんとは無関係であり、子宮頸がんと関係あるのは40種に満たない。世界中でほとんどの子宮頸部の前がん状態/がんを起こすウイルスは14種類といわれる。世界的に最も広がっているのは16型と18型であり、両者で子宮頸がんの70%をしめるといわれる。国によってどういったワクチンが認められているかに違いがある。日本では2価のサーバリックス(2価ワクチンとは2つの抗原タイプをもつワクチンという意味)、4価のガーダシル、9価のシルガードがHPVワクチンと認可されている。ところがアメリカでは2017年以降、9価のガーダシルのみが有効性のあるHPVワクチンと認められているに過ぎない。つまり、HPVウイルスは、どの型が人の子宮頸がんに関係するのか、また、どのワクチンがどの抗原をもつウイルスに有効なのかという点に関しても曖昧さが残る。このようなワクチンは市場に出回るべきではないと考える。了。
山本英彦