反原発一色となった,平和と民主主義をめざす全国交歓会2011(東京全交)2日目の7月31日(日),医問研主催で「放射線障害を考える学習交流会」を開催しました。
まず林さんから,放射線障害について,とくに低線量被曝,内部被曝がどの程度の障害としてどのくらいの頻度で現れるのかを明らかにして,国際放射線防護委員会ICRPや,福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一氏ら御用学者の主張する「100mSv以下なら大丈夫」に反論されました。そして,これまでに我々が学んだことを本にしたいと趣旨説明。パワーポイントを使いながらの説明は,機械の調子が悪く大変でしたが,趣旨は十分伝わったと思います。
森さんから放射線量の単位について解説(ニュース7月号参照)があり,続いて山本さんは低線量被曝の問題を総論的に解説。まずICRPは実体のない組織ですが,原発事故の際には各国が引き合いに出してきます。ICRPの主張は広島,長崎の被爆者のデータに基づいているのですが,爆心地にいなくて被爆した人を対照にしたり,内部被曝を無視したりしています。低線量被曝と発癌との関係は,世界的には「しきい値なし」の直線的関係とされています。100mSv以下は大丈夫という根拠はないのです。
議論では,医療被曝や食品,ミルクによる内部被曝もとりあげられました。医療被曝との対比では,CT検査は1回で10mSv被曝します。なお,世界のCTの3分の1が日本にあり,日本は医療被曝大国といえます。女性獣医師が週6枚以上レントゲンを撮ると流産が増え,核医学検査では流産が3倍になるといいます。医療者は放射線障害には鈍感だが,山下氏や東大放射線科の中川氏のような確信犯もいて,「安全」を強調するためにマスコミが利用しています。
女性の原発労働者では子どもの奇形(口唇口蓋裂,多指症,四肢欠損)が増えるようです。チェルノブイリ原発事故では1型糖尿病も増えています。内部被曝の影響は,発癌や奇形の増加だけでなく,様々な身体的影響が生じるのです。
当日は,宣伝不足もあって多人数とは言えませんでしたが,普段あまり交流のない関東の人や独自に原発被害,放射線障害を調べたり取り組んだりしている方が参加されました。子どもたちを放射線障害から守りたいという思いは参加者共通だと思います。医問研ではテーマごとに各人が調べたことをまとめて本にする計画ですが,出版の意義をより明らかする集いとなったと思います。
岩倉病院 梅田