フィリピン「AKCDF25周年記念式典」「2013 PEACE FORUM」に参加(NEWS No.450 p03)

今年は1月11日のAKCDF25周年記念式典と12日の2013PEACE FORUMに参加した。ポール・ガランの母であるマミー・ガランさんがイーストリバーサイドのスラム街の子どもたちに就学前の教育と食事を1日1ペソ(当時4円、日本での貨幣価値として40円程度)で提供するイーストリバーサイドデイケアセンタ(ERDC)を開設したのが1988年。1990年から子ども全交との交流が始まり、高校生のスタディツアーや親子でのスタディツアーやERDCとの交流キャンプが行われるようになった。これらに医問研メンバーも参加していたが、1992年の子ども全交のツアーに医療問題研究会の医師が同行して、子どもたちやスタッフの健診を実施するようになった。そして、ツアーとは別にERDCの新学期にあわせて6月に健診を実施するようになり、2009年からは7月に実施し現在も継続中である。
ERDCは地主による追い出し問題に土地買い上げで乗り越え、バランガイ(区)によるイーストリバーサイドデイケアセンタ設立に対してAKCDF(アバカダカユマンギ地域発展基金)デイケアセンタを設立し、就学前教育の受入数の拡大、高校大学進学支援やミシン加工による収入支援へと活動範囲を広げ、さらにフィリピンの就学前教育の法整備の中で会計士やソーシャルワーカを配置して法人化をしている。

こうした歴史を思い出しながら、AKCDFに到着したら保護者や地域の人たちであふれかえっていた。フィリピンの子どもたちや保護者のダンスなどの出し物と、日本から同行したシンガーソングライターの阿部さんやウクレレ歌手の西山さん、広田氏の三線に合わせて踊った村上母娘の着物姿や清谷翼くんのエイサーを交互に演じ、会場は大いに盛り上がった。

翌日はケソン市のベテラン病院の近くの会場で2013PEACE FORUMと動物園と公園で子どもたちのピースキャンプが開催された。PEACE FORUMでは午前中は子どもの権利の関係で児童労働の問題の報告と討議が行われ、午後は平和の関係で原発問題の報告と討議が行われた。福島からの地脇さんが報告、東京に避難している菅野さんが報告、私が内部被曝の危険性の報告をして、フィリピンの反原発団体や活動家の報告が2件あり、会場からの質問や意見も活発であった。2年前は条例制定の関係で区の主催であったが、昨年と今年はロータリークラブの主催であった。日本のロータリークラブとは違い、「慈善」の枠ではなく、社会の問題に積極的に関わろうとする人が多いように感じた。

保健所 森