7月6日,大阪市立城東会館で「いのちの連帯−反貧困フェスタ」が開催されました。午前中,基調報告では,労働者・国民の生活破壊の進行と社会保障解体, 大阪府維新プログラムによる高齢者,障害者などの社会的弱者切り捨ての報告と,ワンデイアクションなどで当事者要求を集中しようという行動提起がありまし た。次いで「医療崩壊がもたらす弱者の排除」と題して,医問研の林さんが報告されました。以下紹介します。
日本は,もともと医療崩壊すれすれだった。OECD平均から14万人もの医師不足,看護師不足,公的病院の合理化・閉鎖などが問題化している。対国民所 得比でイギリスの6割,ドイツ・フランスの半分しかない少なすぎる医療費に原因の第一がある。医療費増大の宣伝とは裏腹に医療費,特に高齢者医療費は増え ていないが,企業と公費負担が減って患者自己負担が増え,特に後期高齢者医療制度では低所得者である高齢者の自己負担が増大した。
医療費がだれのためにどう使われているのか。世界のCTの3分の1が日本で使われ,メタボ市場が開拓されるなど,製薬企業や医療機器産業への利益ばかり が保証されている。一方で,長期入院の報酬逓減や療養病床削減で,貧困と隣合せの高齢者や社会的弱者が病院から追い出される。
大阪府も医療費助成削減を打ち出したが,大阪小児科学会や医師会,母親たちなどの取り組みで今年は削減を中止させるという成果をかちとった。軍事費や ODAなどを削って社会保障費に回すことで財源確保はできる。後期高齢者医療や大阪府医療助成削減などへの怒りを結集しようと締めくくられた。
午後は分野別討議となり,後期高齢者医療制度・介護保険の討議では,病気にかかりやすい高齢者単独の保険は世界的にみてあり得ず,年金からの天引きは生 存権の破壊であり廃止しかないことを確認し合いました。また介護保険では,同居者のいる世帯への生活援助の削減などで必要な介護サービスが外されたこと, 介護報酬が切り下げられ,介護労働者の低賃金が強いられていることなどがまず確認されました。議論では,後期高齢者医療制度廃止署名の広がりや,外出援助 などを保障させるための対市交渉の取り組みなどが報告され,ワンデーアクションや全交への参加も呼びかけられました。
後期高齢者医療制度廃止署名に立ちあがった当事者の報告や職員の賃金抑制を余儀なくされる介護報酬のあり方への批判など,医療や社会保障の各分野で当事者が貧困と様々な負担を強いられていることへの怒りを参加者で共有することができました。
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