フィリピン医療支援(NEWS No.432 p03)

2011年AKCDF新入園児健診
報告(第一報)

蒸し暑い関空を飛び立って4時間,真夏のマニラは日本より涼しく快適。今年の健診チームは看護師,保健師,医師の3名でしたが,数ヶ月前からの連絡調整により現地の歯科医師,小児科医,バランガイ保健センターのワーカーさん達の協力も得て,近隣のスラム地区の子ども達,家族も対象にした健康デーとして取り組まれました。

私達はデイケアーの新入園児の健診を分担,2学年4クラス166人分のカルテを用意して行きました。

これらは事前に入園児の氏名,生年月日などのリストをメールで送ってもらい,カルテのフォームに挿入して一人ひとりに作成したものです。以前は,予診時に手書きで記入したものを,泣きそうになりながら集計していたので,パソコン処理の進歩で現地との協力が深まり,健診結果の集計・分析も早く正確になってきています。

当日の9日土曜日は,朝早くから多くの子ども達と家族が順番を待っていました。予診はデイケアーの卒業生であるAKAYカバターンの青年たちが分担してくれました。

予診項目をカルテに書きこむと,次は身体計測です。日本から持っていった,柱の上から引き下ろして測る身長計は好評で,その後もデイケアーで月1回使っているそうです。

雨にもかかわらず,98人の入園児が健診を受けました。結果の詳しい内容は第二報で報告します。

今回も地元のロータリークラブが,医薬品やスタッフで協力をしてくれました。無事に健診が終了すると,会長さんから私たちに心のこもった感謝状が手渡されました。

貧しい中でも,フィリピンの子ども達の未来を切り開く教育プログラムに,健康面から協力することで日本とアジアの現状に触れる貴重な取り組みとなっています。ODAやJICAとは違う,お互いの生活に密着したこの相互協力・医療支援を若い世代へと引き継いでいきたいものです。読者のみなさんも,奮って参加して下さい。

入江診療所 入江