「恐怖の着信あり…」の巻
ある日曜の朝 私の携帯に 見慣れないナンバーからの着信履歴があった。
未登録だったので、返信するか悩んでいると、再度 同じナンバーから着信のメロディー。
やや不安ながらも 出てみた。
私「もしもし?どなたですか?」
相手「あの~。Aです。Rの…(沈黙)」
A「あの~。Rが…(沈黙)」…この沈黙は、心配を掻き立てられる。
『R君に何かあったか?熱?けが?…ドキドキ』
A「Rの指が…(沈黙)」
『何?指? 指が?こけた?やけど?傷?ドアに挟む?…グルグル…でもR君の泣き声とかは聞こえない…』
私「指がどうしたの?」(冷静さを装い、極力落ち着いた口調で)
A「左の お兄さん指に 水ぶくれが…(沈黙)」
『水ぶくれ?やけど?何?…でもR君の声は聞こえない…』
私「どうなってるの?その指だけ?掌は?足とか 他にはないの?なんか触った?」
A「何もしてなくて、今見たら水ぶくれが…(沈黙)」
私「指全体が腫れてる?掌にもブツブツ無い?体もない?痛がってる?」
A「あぁ~。ちょっと見てきます~」
ゴトン(携帯を置く音)
『おぉ~い、どーして携帯なのに置いて行っちゃう?ママどこ行った?もしも~し!』-帰ってきて-
A「何にもないです。小っちゃい水ぶくれだけで…機嫌よく遊んでるし…(沈黙)」
私「ところで、R君は 今どこにいるの?大丈夫?」
A「隣の部屋で、おばあちゃんと居ます。」
『へ?おばあちゃん居てはりますの?』
A「おばあちゃんも、心配してて…(沈黙)」
私『沈黙』とは、いかず 虫刺され・擦り傷・火傷・手足口病・蕁麻疹…可能性のあるものを伝え、視ていないので 大丈夫とは言えないことも伝え 受診要否判断の目安に、患部の保護も話しながらも
『ママ 全部聞き取れるのだろうか?』と、一抹の不安を感じつつも 伝えねばと、自分に言い
聞かせ話した。
A「おばあちゃんも安心したみたいで…(沈黙)」
『はいはい!よかったよかった!』
私「また、その後 様子変わったり 経過あれば電話してね?」
『大概、事後報告は無い!』
受話器を置いて、ホッと一息。大事ではなかったことに胸をなでおろした。
電話相談は、本当に神経を使う。様子が見えず、状況が分からないので、こちらの不安も掻き立てられる。
普通に話すよりも どっと疲れる感じ。
とにかく、今回は心配なさそうでよかった。でも…
『なんで、Aさん 私の携帯番号知ってるんだろ…(沈黙)』
ミステリー…『着信アリ!』キャーッ
(保健師 川崎恵子)