フィリピン AKCDF健診 2013年AKCDFラーニングセンター健診データの報告(NEWS No.457 p04)

AKCDF Day care Center は、日本の年長組(5歳児組)にあたるKinderが3クラス、年中組(4歳児組)にあたるNurseryが3クラスで、在籍園児数は173人である。食事、教科書、制服等に1人当たり年間18000ペソ(約3万6千円)の費用がかかるが、保護者の負担は経済状況(1,2A,2B,3A,3B)に応じて年間11000ペソから3500ペソとなっている。Barangayや政府からの公的な援助は一切なく、ポール氏の演奏活動やAKAIなどの援助によって運営されている。

今年の健康診断も新年度にあわせて7月13日に実施した。クラスと経済状況ごとに在籍者と健診受診者を下表に提示している。

地域(Barangay)の住民健診事業も併行して行われ、園児の兄弟姉妹や地域のこどもはここで健診をうけた。内科医5人、歯科医6人で参加者も多く、会場はやや混乱状況。園児の20人ほどは健診受付後に帰ってしまった模様。それでも99人(57.2%)は例年並みの受診数で全員の健診が実施できていれば(119人69%)と高い受診率となるところであった。長谷川Drが筆記をしてくれたので例年5時間かかっていたのが、3時間ほどで終了できた。

疾病のある子供たちにはHealth Centerから抗生物質などの薬を無料で支給されるようになった。今回の健診以外でも日常的に妊婦健診、予防接種、結核治療、一般疾病治療をしており、建物も2年ほど前に新しい場所にでき、規模も大きくなった。住民達の要求で少しずつ改善がすすんでいるようである。
健診結果として、栄養不良のこどもや虫歯の子が多いことについて確認をしてきたが、2009年以降は上記の経済状況別に分析することによって経済状況によって栄養状況や虫歯の状況に差があることを確認している。下記に2B以上と3A以下に分けた虫歯の状況の表を示した。8本以上の虫歯の子の割合について2B以上が3A以下より少なく(2009年以外)、虫歯が0本の子について2B以上が3A以下より多い(すべての年で)結果であった。
また、AKCDFの「こども達に教育と栄養を」という地域ぐるみの取り組みの中で、年々虫歯の状況が改善してきていることがわかる。
(保健所 森)