カナダでは年明け早々に北米初の鳥インフルエンザによる死者という報道がありました。
昨年11月25日にFDAはGSKのPUMARIXを承認したと発表しました。
このワクチンは不活化スプリットA/H5N1インフルエンザウイルス抗原及びGSKのAS03アジュバントから構成されています。
日本ではプレパンデミックワクチンとしてウイルスの表面にある脂質の膜を除去していない不活化全粒子に水酸化アルミニウムゲルをアジュバントとして含んでいる国産ワクチンを認可しています。
GSKのサイトにはインフルエンザ予防への取り組みとして下記のような記載があります。
パンデミックの原因となる可能性が高いと想定されるウイルス株を抗原として、免疫応答を賦活化する物質(=アジュバント)を用いたプレパンデミックワクチンを事前に接種しておき、ウイルスに対する免疫応答を高めておくこともパンデミック対策として重要と考えられます。
プレパンデミックワクチンの事前備蓄はWHOも評価・実践しており、GSKグループは各国政府にプレパンデミックワクチンの備蓄を呼びかけています。
GSKは強力なアジュバントを開発しておりAS04は日本で「積極的な接種勧奨の差し控え」となっている子宮頚がんワクチンに使用されています。
私はGSKの強力なアジュバントの安全性に対し疑念を抱いていたためPUMARIXと同じスクワレンベースのAS03を含む2009ー2010年の新型インフルエンザワクチンPandemrix接種による被害報告を調べました。
CDCのHP「CDC statement on narcolepsy following Pandemrix influenza vaccination in Europe」によると下記のような報告をみつけました。ここで関連文献も見ることができます。
新型インフルエンザの大流行の際にヨーロッパの国々で使用されたPandemrix ワクチン接種後にナルコレプシーの増加のリスクが発見された。
ナルコレプシーは通常、脳の睡眠-覚醒のサイクルを制御することができないことによって引き起こされる慢性神経疾患である。
このリスクは、最初にフィンランドで報告された後、いくつかの他のヨーロッパ諸国でも関連性が示された。
最近、英国の健康保護局 の科学者はイギリスの子供のPandemrixとナルコレプシーとの関連性を報告した。
調査結果は、フィンランド及びその他の国からの研究と一致している。
ウイルスは種の壁を越えたあと弱毒化しながら感染を繰り返し人との平和的共存に進化すると言われています。
2009-2010年の新型インフルエンザでは強毒性ばかりが強調され、日本では緊急輸入という形で強力なアジュバントを含んだワクチンを導入しました。
PUMARIXもいつ日本に導入、備蓄されてもおかしくないと言えます。
再びパンデミック騒動が起きたときPUMARIXまたは国産ワクチンをあなたは接種しますか?
(薬剤師 小林)