実り多きドイツ国際会議参加(NEWS No.463 p01)

3月4日から国際会議「原発事故がもたらす自然界と人体への影響について」(ドイツ・フランクフルト,核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部ら主催)に参加しました。国際会議は、低線量放射線の危険性の教育と国際ネットワ-クの形成を目的に開催されました。
実り多き成果があったので報告します。
まず第一に、東京電力福島第一原発事故による健康被害が、甲状腺がんの異常多発ーアウトブレイクとして発生している事実を世界に向けて報告出来たことです。また、それがスクリーニング効果ではなく、放射能汚染による被ばく量と健康被害が用量依存的に生じてきている可能性を訴え信頼を得たことです。会場では、新鮮な驚きと、「素晴らしい発表」と言う共感を持って受け止められ、会議の重要報告として位置づけられました。当日は、積極的な討論が広がり、予定の30分の時間枠を超えて発表と討論で1時間に及んだことが聴衆の関心の高さを反映しています。ヨーロッパの人は、IAEAやWHOの報告しか聞いたことがなく、アウトブレイクの報告を聞くのは初めてです。「非常に素晴らしい重要な発表だ」「いい発表だ。事実を積み上げていけば大きな成果につながる」と励ましのコメントを頂きました。主催者デルテ・ジ-デントプ理事はWelcoming speechの中で、我々の報告を「甲状腺がんの増加はスクリ-ニング効果でなく放射線被ばくの結果であるとしている」と紹介され、国際会議の重要報告と位置付けられました。
第二に、ヨーロッパで低線量被ばくの危険性を訴える科学者団体(IPPNWドイツ支部、欧州放射線リスク委員会(ECRR)に参加する科学者)、反原発の運動体(ドイツ放射線防護協会、ヘッセン州プロテスタント教会ら)と、福島の健康被害を具体的に分析・検証する立場で信頼関係を深め、日本での健康被害の解明における共同行動が可能となる関係を築いたことです。
統計解析の専門家からは、「日本のデ-タを送付してくれたら、ドイツで分析できるよ」と協力の申し出がありました。ドイツ放射線防御協会の雑誌ーStrahlentelexー編集者からは、雑誌に掲載された、日本での死産、乳児死亡率の上昇をしめす論文を紹介されました。健康被害の解明に向けて、国際的な協力体制の下で分析できることは大きな力になります。
IPPNWドイツ支部のDrから、「福島の健康被害は原発事故と関連していると思っている。私たちもそう主張したい。そのために、根拠をもっと沢山示してほしい」とも言われました。このことは、今後、共に協力して、健康被害を暴き、デ-タを分析し、検証過程を共に積み上げていく共同作業を通じて可能になっていくことであると考えます。そのためにも、日欧の協力関係を深め合っていくことが重要であり、今回は、その始まりであると強く感じました。
総じて、低線量被ばくの危険性を検証してきた科学的取り組み、健康と命を守り、避難者の権利を守る担い手としての医問研の姿を、ヨーロッパの科学者団体、運動体の前で大きく示すことができた国際会議でした。また、国際交流の重要性を強く認識したドイツ・ベラル-シ訪問でした。
たかまつこどもクリニック 高松

3月4日から国際会議「原発事故がもたらす自然界と人体への影響について」(ドイツ・フランクフルト,核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部ら主催)に参加しました。国際会議は、低線量放射線の危険性の教育と国際ネットワ-クの形成を目的に開催されました。実り多き成果があったので報告します。
まず第一に、東京電力福島第一原発事故による健康被害が、甲状腺がんの異常多発ーアウトブレイクとして発生している事実を世界に向けて報告出来たことです。また、それがスクリーニング効果ではなく、放射能汚染による被ばく量と健康被害が用量依存的に生じてきている可能性を訴え信頼を得たことです。会場では、新鮮な驚きと、「素晴らしい発表」と言う共感を持って受け止められ、会議の重要報告として位置づけられました。当日は、積極的な討論が広がり、予定の30分の時間枠を超えて発表と討論で1時間に及んだことが聴衆の関心の高さを反映しています。ヨーロッパの人は、IAEAやWHOの報告しか聞いたことがなく、アウトブレイクの報告を聞くのは初めてです。「非常に素晴らしい重要な発表だ」「いい発表だ。事実を積み上げていけば大きな成果につながる」と励ましのコメントを頂きました。主催者デルテ・ジ-デントプ理事はWelcoming speechの中で、我々の報告を「甲状腺がんの増加はスクリ-ニング効果でなく放射線被ばくの結果であるとしている」と紹介され、国際会議の重要報告と位置付けられました。
第二に、ヨーロッパで低線量被ばくの危険性を訴える科学者団体(IPPNWドイツ支部、欧州放射線リスク委員会(ECRR)に参加する科学者)、反原発の運動体(ドイツ放射線防護協会、ヘッセン州プロテスタント教会ら)と、福島の健康被害を具体的に分析・検証する立場で信頼関係を深め、日本での健康被害の解明における共同行動が可能となる関係を築いたことです。統計解析の専門家からは、「日本のデ-タを送付してくれたら、ドイツで分析できるよ」と協力の申し出がありました。ドイツ放射線防御協会の雑誌ーStrahlentelexー編集者からは、雑誌に掲載された、日本での死産、乳児死亡率の上昇をしめす論文を紹介されました。健康被害の解明に向けて、国際的な協力体制の下で分析できることは大きな力になります。IPPNWドイツ支部のDrから、「福島の健康被害は原発事故と関連していると思っている。私たちもそう主張したい。そのために、根拠をもっと沢山示してほしい」とも言われました。このことは、今後、共に協力して、健康被害を暴き、デ-タを分析し、検証過程を共に積み上げていく共同作業を通じて可能になっていくことであると考えます。そのためにも、日欧の協力関係を深め合っていくことが重要であり、今回は、その始まりであると強く感じました。
総じて、低線量被ばくの危険性を検証してきた科学的取り組み、健康と命を守り、避難者の権利を守る担い手としての医問研の姿を、ヨーロッパの科学者団体、運動体の前で大きく示すことができた国際会議でした。また、国際交流の重要性を強く認識したドイツ・ベラル-シ訪問でした。
たかまつこどもクリニック 高松