4月27日、第5回避難者こども健康相談会を開催しました(NEWS No.465 p02)

「避難者親子の悩みや心配、不安な思いを傾聴するとともに、子どもの健康問題に積極的に関わり、子どもたちを放射能から守るための環境を一緒に整えて行こう!」との思いで、今回も健康相談以外に、アロマハンドマッサージ、法律・生活相談、保育室、避難者お茶会、昼食提供などのために30名のボランティアスタッフの支えを得ることができました。
午後早めに来場された8家族13名の相談がありました。相談を受けるときは、「低線量被ばくの危険性」を多くの調査データ文献に基づいて説明することを基本にしていますが、「避難したのは正しかった、間違ってなかったと再認識できた」などの感想、定期的に開催していることに対しては、「安心できる、心のよりどころ、楽しい時間を過ごせた、いつもホッとできる」などの言葉を頂き「今後も続けて」との要望もありました。
午前中には、医問研の山本英彦さん、司法書士の山下正悟さん、郡山市から大阪市に避難されている森松明希子さんからの報告を受けるセミナーが開かれました。
山本さんからは「福島の小児甲状腺がんは被曝量に応じて増加している」と題した資料の提供がありました。医問研ニュースで取り上げてきている「小児甲状腺がんの多発」について、福島県は、将来見つかるがんを検診によって早期に発見した(=スクリーニング効果)と説明しており、また放射線被曝量は低いとして放射線との関連は否定しています。しかしチェルノブイリで甲状腺がんがスクリーニング効果でなかったことの決定的証拠は「放射線被ばく量に応じて甲状腺がんの頻度が増加すること(=容量線量関係)が示された事」との文献紹介のあと、福島県民基本調査での市町村別外部被ばく実効線量推計値と2月7日発表の甲状腺がん検診結果との間には同様の関係が認められたという山本さんの研究結果が報告されました。単回帰分析、ロジスティック解析と言う耳慣れない統計学用語があったものの、福島原発事故がもたらした低線量被ばくによる明らかな健康被害を証明する核心に迫る研究と考えられました。
1964年発足の大阪青年司法書士会に所属される山下さん達は、各地の司法書士の方々と分担して、主に岩手県(宮古市、陸前高田市、大槌町など)の仮設住宅の訪問を続けながら、法律・生活相談を受けておられます。今回は本年2月11日に行われた「原発事故被害全国一斉110番」の報告をされました。20会場・36回線で1259回の電話相談を受け、避難による二重生活の困難さを伝える、転居費用や自治体による住宅借り上げ中止による賃貸料相談、避難先での就労困難など、事故後4年目に入る厳しさを伝えられました。また2013年末までの原発ADR(Alternative Dispute Resolution:
裁判外紛争解決手続き)は9000件、和解は600件のみとのことでした。
森松さんは2013年9月、原発事故に対する国と東京電力の責任を問う「原発賠償関西訴訟」を子ども達も含む80名(本年3月現在225名)とともに提訴されて原告団代表をなさっています。「健康に生きる権利・放射線被ばくから避難する権利は裁判を起こさなくても認められる筈のものですが、社会的合意にするために気付いたものが訴える使命がある」と決意を述べられ、「国民すべてが今回の事故の当事者だと思って頂けたら」と訴えられました。
小児科医 伊集院

「避難者親子の悩みや心配、不安な思いを傾聴するとともに、子どもの健康問題に積極的に関わり、子どもたちを放射能から守るための環境を一緒に整えて行こう!」との思いで、今回も健康相談以外に、アロマハンドマッサージ、法律・生活相談、保育室、避難者お茶会、昼食提供などのために30名のボランティアスタッフの支えを得ることができました。
午後早めに来場された8家族13名の相談がありました。相談を受けるときは、「低線量被ばくの危険性」を多くの調査データ文献に基づいて説明することを基本にしていますが、「避難したのは正しかった、間違ってなかったと再認識できた」などの感想、定期的に開催していることに対しては、「安心できる、心のよりどころ、楽しい時間を過ごせた、いつもホッとできる」などの言葉を頂き「今後も続けて」との要望もありました。午前中には、医問研の山本英彦さん、司法書士の山下正悟さん、郡山市から大阪市に避難されている森松明希子さんからの報告を受けるセミナーが開かれました。山本さんからは「福島の小児甲状腺がんは被曝量に応じて増加している」と題した資料の提供がありました。医問研ニュースで取り上げてきている「小児甲状腺がんの多発」について、福島県は、将来見つかるがんを検診によって早期に発見した(=スクリーニング効果)と説明しており、また放射線被曝量は低いとして放射線との関連は否定しています。しかしチェルノブイリで甲状腺がんがスクリーニング効果でなかったことの決定的証拠は「放射線被ばく量に応じて甲状腺がんの頻度が増加すること(=容量線量関係)が示された事」との文献紹介のあと、福島県民基本調査での市町村別外部被ばく実効線量推計値と2月7日発表の甲状腺がん検診結果との間には同様の関係が認められたという山本さんの研究結果が報告されました。単回帰分析、ロジスティック解析と言う耳慣れない統計学用語があったものの、福島原発事故がもたらした低線量被ばくによる明らかな健康被害を証明する核心に迫る研究と考えられました。
1964年発足の大阪青年司法書士会に所属される山下さん達は、各地の司法書士の方々と分担して、主に岩手県(宮古市、陸前高田市、大槌町など)の仮設住宅の訪問を続けながら、法律・生活相談を受けておられます。今回は本年2月11日に行われた「原発事故被害全国一斉110番」の報告をされました。20会場・36回線で1259回の電話相談を受け、避難による二重生活の困難さを伝える、転居費用や自治体による住宅借り上げ中止による賃貸料相談、避難先での就労困難など、事故後4年目に入る厳しさを伝えられました。また2013年末までの原発ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続き)は9000件、和解は600件のみとのことでした。
森松さんは2013年9月、原発事故に対する国と東京電力の責任を問う「原発賠償関西訴訟」を子ども達も含む80名(本年3月現在225名)とともに提訴されて原告団代表をなさっています。「健康に生きる権利・放射線被ばくから避難する権利は裁判を起こさなくても認められる筈のものですが、社会的合意にするために気付いたものが訴える使命がある」と決意を述べられ、「国民すべてが今回の事故の当事者だと思って頂けたら」と訴えられました。
小児科医 伊集院