浮雲保健師ぶ~やんの呟き「Good Boy~♪」〜の巻(NEWS No.468 p05)

仕事柄、様々な職業の方とお話することになる。育児支援などでは、ママたちも様々な職業を持たれており、今は主婦でも 元◯◯だったり。沢山の方々とお話する機会が多いと 初対面でも その方の職業は何か?大体、分かるようになってきた。
乳児にじっくりゆっくり語り口調で「教育的指導」をしている学校の先生ママ。自分の子より他の子供達を相手して楽しそうに過ごす幼稚園の先生ママ。乳児の口に、鮮やかなテンポで離乳食のスプーンを入れ、食べさせている介護士ママ。などなど、聞いてみると結構当たっている。
ある日、初めて会う親子。 ハイハイ歩きのMちゃんとAママ。Aママは、なんだか爽やかに子供をあやして、遊ばせ方が、慣れているので、上のお子さんがいるのかと思って聞いたら、一人目とのこと。
不思議に思いお仕事何かな?と思って観察を始めた。
我が子に あまりベタベタすることは無いが 寄ってきた子には、体勢を低くし目線を合わせて笑顔。頭を撫でたり背中を撫でたり スキンシップたっぷりのあと、傍にあったおもちゃに 上手く気を反らせ ハイハイさせる。乳児さん相手に楽しそうに遊んでいる。時折 我が子に掛ける言葉に英語も混じり、バイリンガルな感じ。おむつ交換時にトイレにわざわざ座らせる。初対面の他のお母さんとも すんなり会話に入っていく。持参した離乳食は、小さなタッパで小分けして。今まで あまり遭遇したことのない雰囲気を持ったママさんである。
私「(違うとは思ったが)保育園とかで働いてはるの?」
Aママ「いいえ。」
私「でも 遊ばせるのが慣れてる感じ」
Aママ「いえ、子供苦手なんです。」
私「え?上手く相手してはるよ~。」
Aママ「そーかな?」
私「英語の先生とか?」
Aママ「英語無理です。人見知りするので、仕事もあまりしてなくて…」
(ますます謎に満ちてきた。)
私「赤ちゃんへのおもちゃの与え方とか、スキンシップとか、離乳食も慣れている感じがするけど‥」
Aママ「あ!ひょっとして」
私「何々?」
Aママ「私、犬のシッターのバイトを出産まで長くしてましたぁ~」
…と言われて、一連の行動の謎が腑に落ちた。犬とのおもちゃやボールでの遊ばせ方。犬のブリーダーの手伝いもしていたので離乳食も作っていた。犬との大事なアイコンタクト。時折聞こえていた英語は、犬の訓練用語!?さすがに「ステイ(待て)」や「カム(おいで)」等は言わないが、つい「good boy~」とか褒め言葉を言ってしまうそうだ。
もちろんトイレットトレーニングも慣れたもの。
でも ママご本人は、不安一杯だったそうだ。育児雑誌で見様見真似でしか出来ず、相談する知人も居なかった。ネットばかりで調べていたのも孤独で不安になり、集いの広場に来てみたが初対面の人ばかりで、緊張してしまっていた。
居合わせた他のママたちとも『ペットシッターあるあるネタ』で打ち解けあい、自分がしていた育児の一つ一つが 正しかったのかどうか 聞けるようになり確かめることが出来た様子。
「犬も人間も しつけは一緒やね!」
とママたちの結論。
Aママ「あ!気をつけてください。溺愛の飼い主は 人間と一緒って言われるの好きじゃない人が多いです。もちろん飼い犬に対して『犬』は禁句です。」
一同「へぇ~!?」
皆さん、お気をつけて。
GOODBYE!

川崎恵子