浮雲保健師ぶ~やんの呟き 「ハイ!ポチッとな!」〜の巻(NEWS No.477 p06)

グズっている乳児に
ママ「Aちゃん~ ホラ これあるよ!」
と スマートフォン(スマホ)を前において手早くアプリを起動させ 鳴らす。
ここ数年よく目にするようになった光景。
ママがあやすより  スマホの方が 赤ちゃんは早く機嫌が治る様だ。

携帯電話の普及は 年々進み 複数台持っている人も居るほどとなった。路上や電車内で大声で話している光景が出没。
パソコンも ノート型が出来て普及率が上がってきていた。しかし 携帯電話にスマートフォンが導入され、携帯で小型パソコン感覚に使用できるとして 一気に流行。全体の4割以上の所持率になってきている。若年層では8割に達する勢い。そしてパソコンの普及率が低下。携帯電話も電話としての使用が薄れ 画面上のメール SNS などでの通信が中心となっている。路上での大声通話は無くなったが、スマホの画面に目が釘付けになったまま歩いている危険な光景が主流となっている。子育て中ママたちにとっても手軽に使える機器スマホ。一時パソコンが普及し始めた頃は なんでも詳しくパソコンで調べて参考書を一冊読んできたかの如く自信満々、専門家のように語るママが居たので、今スマホになり 色々調べられプチ専門家ママが増えると思って構えていたが、ちょっと様子が違う。
スマホを持っているので、手軽にいつでもどこでも検索できる安心感からか、じっくり調べることが無くなり、その場その場で スマホに向かって話しかけたり、タッチしたりし、疑問の単語をピンポイントで検索して分かった気になり終了。あとで詳しく調べることが少なくなってきている。
そのため 相談を受けた時に気をつけないと なんでも知っている風に相談してきているママが、実はよくわかっていないことがある。
例えば離乳食。母乳だけだったが ふと5ヶ月になり離乳食しないといけないと思うも、どうしたら良いかわからない。そこで普通の料理の様にスマホで『5ヶ月・離乳食』のワードでポチッと検索。すると、きれいな写真付きのメニューがズラリ。3品4品並べられ作り方が細かく載っている。我が子がどれ位食べれるようになっているか、掲載している人の子との違いも関係なく『5ヶ月』で見て作る。6ヶ月になったら また同じことを繰り返す。これが本を参考にしていたら 離乳食の意味や発育発達の成長とともに各月齢についても掲載されていて目にすることになるのだが、スマホで手軽にピンポイント検索できてしまい 全体の経過を考える機会を失ってしまった。その上きれいな写真付きで ハードルが高くなり 出来ない時には憂鬱になってしまう。「よく食べてくれましたぁ~」などと掲載者のコメントが付け加えられていたりすると 一生懸命作っても我が子は食べてくれないことに落ち込んでしまう。
「離乳食中期の後半って何ヶ月ぐらいですか?」と不思議な質問を受けるのもスマホ検索で出てくるメニューによるもの。
私は、千差万別・十人十色と一人ひとり違っていいことを地道に話していくのみ。

乳児を預かる時
「なにか好きな玩具とか 一緒に預かりますよ~」とママに声をかけると
「えぇ~スマホ~使うしぃ無理ぃ~。」
(注訳:この子の好きな玩具はスマホだけど、今から出かけるママが使うから預ける玩具は無い)と言われて立ち去られることにも驚かなくなってしまった私は「携帯電話不携帯」が多く 皆様に迷惑かけっぱなし。申し訳ございません。

川崎恵子