浮雲保健師ぶ~やんの呟き 「大暑に、どう対処?」~の巻(NEWS No.479 p06)

「一晩で ブツブツ出来たぁ~。こんなことある??信じられへん!!」
私の顔を見るなり大声で叫び 汗をかきかき抱っこ紐から下ろしながら我が子の顔を突き出す。
ごきげんな笑顔で愛想よくしてくれている
可愛い赤ちゃんの額に 赤いブツブツが。

今年は 春から「真夏日」となり その後も気温は上昇。夏休みに入る前から「熱帯夜」が続く毎日。夜中でも熱中症に注意するよう報道されている。「猛暑日」と言われる日も日常となってきた。
2006年に35度以上の日が数日続き、翌年 気象庁が「猛暑日」と呼ぶようになり、まだ10年経っていないが、そのうち40度以上の呼び名もできることだろう。

小さな子どもを抱えるママたちは 日々の気温や天候に敏感。翻弄されているとも言えるママもいる。バギーには 熱中症対策グッズが フル装備。
その反面 着せているものは 見た目重視で 可愛い かっこいい 涼しげ~などでチョイス。
乳児に 水着の様なランニングのロンパース1枚を着せ素足で 炎天下の中バギーに乗せて闊歩。そのまま冷房の効きすぎるスーパーやショッピングモールに入っていく。ママは 日傘にUV機能付きの上着でしっかり覆って スマホに夢中。バギーの赤ちゃんから目が離せなくなることも度々。若いパパママだから仕方が無いと思いたいが、そばにジジババらしき人も同行していたりすることもある。
電車も冷房が効きすぎていて寒い。冷え込んだ電車から降りると 40度を超える道を歩いて行けば 赤ちゃんは当然 汗が吹き出すも、首や脇が覆われていない素肌なので吸い取ってもらうものが無い。そしてそのまま コンビニに入ると 急激に寒くなり汗腺は閉じるが 一旦吹き出た汗は肌にベッチョリ着いたまま乾燥していく。
大人に比べて汗腺密度が10倍とも言われる乳児では 当然 汗疹が発症しても不思議ではない生活環境である。

「たぶん、あせも だねぇ」
冒頭の赤ちゃんの湿疹。
「あせも?これが?アトピーちゃうん?」
小さな子と付き合う機会も減ってきたためか 汗疹も見たことがない様だ。
湿疹=アトピー性皮膚炎
と心配しすぎることも 珍しくない。
「シッカロールがいい?」
懐かしい単語が飛び出してきた。汗疹を見たことがなくても、シッカロールを知っているところが 面白い。コーンスターチやタルクが原料のパウダーで アスベストがタルクに含まれていたことがあり 一時衰退したが、原料を厳選し 再び ベビーパウダーとして販売されている。知らない人も居るので説明しつつも、服装の注意や 小マメなシャワーなどスキンケアのほうが大切だと話をする。単純なケアだが意外に知らず、何度も聞いてくることも。
「外気温が高いと 長袖を羽織ったほうが涼しいよ。気温が40度超えると体温のほうが涼しいからね。アスファルトの上は50度とかになってバギーの赤ちゃんは 体温調整が未熟だから皮膚を保護してあげないと外気温と同じになってしまうよ。」などと話していると
「気温50度?どうしたら良いかわかんないよぉ~。零下50度ならなんとかなると思うけどぉ…」と呟いたママに一同注目!
ハルピンよりも北部、ロシアとの国境近くの中国からやって来て3歳0歳子育て奮闘中のママでした。
お国違えば様々な 育児があるよね。
今度教えてもらおう、
「零下50度での育児」

川崎恵子