2015年度フィリピン医療団ツアー参加感想(NEWS No.480 p05)

ここ数年来の希望が叶って、今回のツアーに同行しました。

森先生の報告を聞いたり、「フィリピンAKAYプロジェクトをともに創る会」の機関誌『海をこえて』の編集に関わったりする中で「1度この目で検診の様子をみてみたい。できればその様子を森先生とは別の目で、AKAYの会員の皆さんにお知らせできたら・・・」と思っていました。
AKAYの事情・東田さんの協力・私個人の状況など様々なことがうまく重なった今回のフィリピン行きの実現でした。

さて、このツアーで印象に残ったことは検診に関することが段取りよくスムースに運ばれていることです。

マニラの空港で東田さんが合流し、エスタリータ先生の出迎え・案内でまずはアバカダへ。
ここで、明日の検診のために持参した荷物を渡すと、エスタリータ先生は「いつものね。うんうん、分かっています。」といった様子で荷物を受け取り、私たちは宿泊先のポールさん宅へ。

検診当日、予定の時間を少し遅れてアバカダ着。既に待合は準備されて、人々が集まっています。
手早く検診会場が整えられ、始められて行きます。外の待合で問診票に記入され、中待合でチェック、札が渡され、診察にはエスタリータ先生が横に付添います。
体重・身長・虫歯等の結果を記入した用紙を保護者に渡し、歯ブラシとシールを渡して終了です。

この一連の動きがうまく組織的に行われています。
アバカダの生徒の誰が受診したかはチェックの折に把握されているのでしょう。問診票は無記名で日本の健診団はデータだけを受け取るようになっています。

AKAYはこれまでアバカダの子どもたちとの『平和キャンプ』を行っていますが、手順の悪さや計画性の低さを感じることがしばしばです。
「これって、フィリピン風?」と思ったりしていましたが、まだまだ改良の余地ありと思いを新たにしました。

2つ目はこの検診で子どもの発達にも関心が払われていることです。

問診表の項目の中にも見られますし、診察の中で森先生が子どもの様子からチェックしている姿も見かけました。

私は今回ビニールテープを持参して、合間にポンポンを作ってみました。
アバカダのスタッフは関心を示すことはありませんでしたが、医療団の山本さんは「小さいときに手先を使うことは子どもの発達にいいことですよ。」と言っていました。

検診が身体面だけでなく、心・精神面の発達にも関心を向けている中、AKAYは経済的な支援だけでなく、平和キャンプの内容やアバカダの教育の内容・方法などを交流し、学び合う方向へ向かって行く必要性を感じました。

この検診が20年ばかりの歳月の中、しっかりABAKADAに位置付いていることが実感できました。
健康・病気の相談の場として意味。保護者の関心の向上などです。

AKAY 山田淑子

※AKAYとはアバカダカユマンギ地域発展基金の愛称で、タガログ語で、’ともに’や’手をつなぐ’という意味。「どの子も私の子」の心でフィリピンと日本がともに創りだす共同事業として、子供たちの未来と地域住民の自立のための活動を行っているのがAKAYプロジェクトです。