軽症インフルエンザには推奨しない、日児見解再確認(NEWS No.483 p03)

日本小児科学会が、昨年12月に軽症インフルエンザへの抗インフルエンザ薬の投与を推進しないとの回答を出したことは、すでにお伝えしました。それに対して、再度の要望書を出したことも以前お伝えしました。

今回は、再要望書に対する再回答をご紹介します。
再回答書では、重症への投与は推奨する、としていますが軽症についての言及はありません。
これは、先に回答した「軽症インフルエンザには推奨しない」ことを再度確認したことであり、コクランレビューと浜六郎氏などの研究活動、被害者の方々の運動を背景とした私たちの要望による大きな前進と考えます。

この日本小児科学会(以後、日児)の決断を広く小児科医などの医師、市民の伝えることにより、不要で副作用もある抗インフルエンザ薬の使用がかなり抑制されるものと思われます。

実は、この回答は、すでに7月に林に送られてきていたことが11月に入り判明しました。
しかし、林は受け取った記憶が全くなく、郵便がどこかでなくなったものと思われます。
今回はそのようなことの無いように、日児事務局からメイルと郵送で送ってもらいました。

これが判明したのは、大阪小児科学会の学会誌にインフルエンザシーズンを迎えてこの日本小児科学会の重要な「声明」が小児科学会会員に周知されていないのではないかと考え、大阪小児科学会員にだけでも周知してもらおうと、その紹介文を運営委員会に送りました。
同運営委員長から私の文章の内容を確認するために、日児に連絡したところ、会誌に載せることは大阪小児科学会に任せる、2回目の要請文に対する回答は7月に出した、との日児会長の返事があったそうです。
その連絡を受けて早速日児の事務局に電話したところ、私が2日程前に2回目の回答を催促した文章も着いており、話はすぐ通じました。

そこで再度その回答を送ってもらったところ、「当学会では、リスクベネフィットを総合的に加味し、重症例に対しては抗インフルエンザ薬の投与を推奨する立場をとっています。」と明記されていました。
その根拠として、新たに人工呼吸器の使用や重症度を加味した多変量解析により推定致命リスクの低下が確認されたとする論文(Louie JK, etal. Pediatrics, 2013; 132 (6): e1539-45)を引用しています。
この論文も今後検討が必要とは思いますが、再回答書は、前述のように、軽症患者には推奨しない、との内容をむしろ補強した内容です。

今後このことを、大阪小児科学会への投稿文の掲載はもとより、日児に対しても広く学会員に周知するよう求め、さらに社会全体に広めてゆかなければなりません。
是非皆さんのご協力をお願いします。
なお、2つの回答書は医問研はやし小児科のホームページに掲載していますので、ご参照ください。

はやし小児科 林