「ワクチントーク全国」感想(NEWS No.491 p07)

7月10日に東京でワクチントーク全国が「どうしますか?予防接種」というテーマで開催されました。医問研から、私は久しぶりに、次女は初めて参加しました。会場はいっぱいで、赤ちゃんなどの笑いと泣き声もあり、大変活気を感じました。

青野典子さんの司会で、母里啓子代表のユーモアあふれる挨拶で始まりました。ワクチントークの意義の確認と、「跡継ぎができた」報告でした。長年、理論的にワクチントークを引っ張ってこられた母里先生はとてもお若く見えますが、跡継ぎ問題は長年の課題だったとのことです。

その跡継ぎと言われた方が、本間真二郎氏でした。彼の講演ではワクチンの全体的問題点を中心に話されました。参加者の多くが一般の方でしたので、細かいデータは出さず、結論を明確におっしゃっていました。インフルエンザワクチンに関して、コクランレビューを引用されていたことは、自らを「自然派」と自称されていますが、現代医学の科学性も尊重する彼の姿勢も示していると思いました。また、データでわかる点と、データとしてはわからない将来の問題点を分けて判断をされているようで、共感できました。
母里先生から「B型肝炎ワクチンの乳児へのユニバーサル化(全員に摂取すること)の問題点」が簡潔に報告されました。私がこの間ボーっと考えてきたことがとても良く整理できる内容でした。

別の報告者から、予防接種と「自閉症」・発達障害や多発性硬化症MSとの関連、などが報告されました。
栗原敦さんは「これでよいのか健康被害救済!?」と題して、1994年の改正予防接種法では「予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。」としているにもかかわらず、長くて362日も健康被害救済申請の処理にかかっていることなどの問題点を指摘されました。

古賀真子さんは「ワクチン禍裁判のこれまでとこれから」と題して報告されました。現在の予防接種法が、被害者をはじめとする関係者の血のにじむ努力により、積極的内容を含むものであることが改めて理解できました。その他の内容も含めて、よりじっくり聞きたい報告でした。

北海道では、全く患者が発生していない日本脳炎に対するワクチン接種が強行されましたが、その愚行に対する闘いが報告されました。なんと3万7千筆の日脳ワクチン導入反対署名、3万8千筆の子宮頸がんワクチン被害救済を求める署名を集められたとのことで、感動しました。その報告をされた方々は、数年前、私に講演依頼の電話をいただいた方々だったとのことでした。(都合でお受けできませんでしたが。)

交流会では、群馬の高木泰子先生をはじめ、多くの方のお話が聞けて大変楽しく、私の予定を超えて最後まで出席させていただきました。

なお、最近ワクチントーク方たちは、以下の本を出されています。「Chio」は、ワクチン被害者の声をまとめたものです。尊敬する藤井俊介氏や栗原敦氏など、自らのお子さんの被害に会ったことの苦しみを背負いながら、ワクチン行政の改革に献身されてきたことがわかります。「それでも受けますか予防接種」は最近の予防接種問題を法律面、データ面、運動面などから詳しく解説したものです。いずれも力作です。ぜひ、お読みください。ワクチンを接種する側される側、薬を処方する側される側の皆さんにぜひとも読んでいただきたい本です。ワクチンや他の薬を、被害を受ける人たちに思いを寄せながら使うために。

はやし小児科 林敬次