児童発達支援・放課後デイいっぽいっぽの取り組み(NEWS No.501 p06)

今回、私が所属しているNPO法人リハケア神戸で行っている障害児通所支援について紹介させていただく機会を頂きましたので簡単ですがご紹介させていただきます。
当法人では児童発達支援1施設(児童デイサービスいっぽいっぽ)、放課後等デイサービス2施設(放課後デイサービスいっぽいっぽ丸塚・放課後デイサービスいっぽいっぽ宮下)を神戸市西区にて運営しています。

児童発達支援とは、小学校就学前の6歳までの障害のあるお子さん、育てにくさのあるお子さんが通所にて療育を受けるための施設です。保育園や幼稚園よりも小さい集団で日常生活動作の自立支援や、気持ちをコントロールする力や対人関係のスキルを学ぶための支援、保護者やお子さんにかかわる保育者に対する相談・教育支援を行っています。

放課後等デイサービスは、就学児6歳~18歳が対象です。最近では放課後デイの数が大幅に増加し、その質の見直しがニュースとなっていますが、いっぽいっぽ丸塚は平成25年に神戸市西区で初めての放課後デイとして開設しました。

児童発達支援は平成23年に開設しましたが、まだ数も少なく、開設直後から様々な事例に直面しました。特に印象に残っているのは、隣接する市在住の医療的ケア(たんの吸引)の必要な5歳児のお子さんです。市の幼稚園に入園を断られ、医療的ケア児は小学校に入学するまで家庭で過ごしていただくしかないと言われ、コミュニケーションが可能なお子さんでさらに年長児であるにもかかわらず集団に入る機会を得られず、ご家族もおいつめられた状態でした。医療連携加算という制度はその当時からありましたので、それを利用して看護師を雇用し彼が通所できるように検討しました。しかしその当時、兵庫県には医療連携加算をとっている児童発達支援・放課後デイは全くなく、医療連携加算をとるための条件も不明確でした。県や市の担当者と複数回医療連携加算のための話し合いを行いました。担当者の方から「前例がない(からとらせられない)」と言われましたが「前例をつくりましょう」とかけあい、兵庫県の通所支援施設では初めて医療連携加算をとらせていただきました。

平成23年から6年間、障害児通所支援事業の立ち上げ、障害児・発達障害を含む育てにくさのある児の早期支援、保護者や保育園など保育者への支援にかかわってきた中で、強く思うことがあります。「ダメな子供はいないが大人のダメな対応というものはある、そのことの子供に対する影響は深刻」ということです。「親がダメ」ということではなく、ダメな対応かも、と思った時に相談すべきところに相談する、相談することは親(又は保育者)の義務である、ということです。現在、私は大学に研究員として所属していますが、今後は、子供に関わる大人に対する支援(教育を含む)について研究を進め、障害児通所支援施設の質の向上につなげていきたいと思っています。

NPO法人リハケア神戸 山本