ご存じですか?
現在の日本で使われている薬剤の多くが非科学的な評価で認可されていること、一昔前まで「認知症」や「喘息」に使われていた薬に全く効果が無かったこと、
ディオバンだけでなく血圧降下剤は死亡率をほとんど下げないこと、
タミフルなど抗インフルエンザ薬は効果がなく、最近WHOも日本小児科学会も使用を健康な人には勧めず「重症」に限定したことを。
そして、コクラン共同計画などEBMを守り発展させる勢力が世界中にいることを。
私たちは、市井の医療関係者ですが、このような課題に取り組んで来ました。日常の仕事の中で「やっていることが変だ」とか、「良いことなのに誰もしていない」などと思うことを、自分たちで科学的に分析すると大きな世界的課題にすることも可能です。福島原発事故では東日本で周産期死亡の増加が、私たちとドイツの専門家との共同研究で明らかになりました。
このシンポジウムは、このような取り組みをされている方々からの報告、医療問題研究会(医問研)で今勉強している内容などを発表予定です。
ぜひ多くの医療関係の皆さんのご参加をお待ちしております。
シンポジウム実行委員長 入江紀夫(入江診療所)
医療問題研究会では、科学的な臨床医学の基本となるEBMの発展をめざして活動し、次の様な成果を上げてきました。
- 日本の非科学的な薬剤評価方法である「全般改善度」の解明:「経口抗アレルギー薬」や「抗痴ほう薬」(当時)に終止符をうち、副作用とムダな医療費の削減に寄与。その内容が認知症の世界的な教科書に掲載された。
- コクラン・システマティックレビュー「Oxatomide for stable asthma」を完成、また他のレビューアーのために日本語論文の翻訳など協力した。
- SIDS(乳児突然死症候群)の世界的な予防法である「あおむけ寝」を学会で調査・発表し、厚生省(当時)のキャンペーンを引きだした。
- コクラン共同研究にタミフルの効果への問題を提議し、「生データ」の公開要請の運動と、そのデータによるレビューで「効果なし」の結論が出すことに寄与した。その後、2014年日本小児科学会が、今年6月WHOが、その使用推奨を「重症」に限定した。
- 福島原発事故による放射線被ばくの健康障害をまとめた2種の本を発行。また、ドイツの生物統計学者との共同研究で東日本での「周産期死亡の増加」を論文で世界に明らかにした。
以上のような活動を、新しい世代の活躍でより発展させるための第一歩になるよう企画したいと思います。「テーマ」は( )以外発表者がつけたものです。
シンポジウム発表テーマ
- 岐路に立つ「科学的エビゼンス」―RCTがなくともリアルワールドデータ活用で有効性安全性を確保できるか(例会シリーズ報告)
- (ドイツの民主的専門家との協力で福島原発事故後の周産期死亡の論文を世界に発信)
- 批判的思考能力と科学的根拠に基づく医療
- 発がんメカニズムの新理論「代謝疾患としてのがん」
- 発達障害への気づきは子どもたちの生活を豊かにしたのか
- フィリピン・修学前学習センターの入園児健診の分析
- (学生でのEBM・研修医としてEBM実践・文献レビューにふれて)
- (学会での取り組み:EBMでの検討結果を社会に広げる)
以上の8報告の発表と質疑、全体の議論を予定しています。どなたでも議論に参加していただけるように運営してゆきたいと考えています。
ぜひ、ご参加下さい。
日 時:2017年10月8日 10:00〜16:30
場 所:ドーンセンター(大阪市天満橋)
参加費:無料 昼食:事前お申し込みの方無料
お申し込み・お問い合わせは下記に
医療問題研究会
http://ebm-jp.com
医問研事務所
住 所:大阪市城東区永田4-6-11サンパーク1階
連絡先アドレス:hayayoshihara★gmail.com(★マークを@に変更してください)