『根拠に基づいた医療を ─ Evidence-Based Medicineの発展─』
医問研ニュース500号記念シンポジウム報告パンフレット
医療問題研究会、2018 年7月発行
〈「はじめに」より〉
2017年10月に、大阪ドーンセンターで開催しました医療問題研究会(医問研)ニュース500号記念シンポジウムの内容を知っていただきたく、その報告内容をまとめたパンフレットを発行しました。
医問研は小さなグループではありますが、現在臨床医学の核となっている「根拠に基づく医療 Evidence-Based Medicine(EBM)」を長年実践してきました。その結果、日本の薬剤評価方法全体を大幅に改善し、抗インフルエンザ薬評価にも大きな影響を与えるなど、世界のEBMに影響を与えることができました。さらに、福島原発事故による被ばく問題でもEBMによる活動をしてきました。
500号記念シンポジウムでは、これまでの医問研の活動の一部と、それを若い世代が再構築しつつあることを紹介しました。そのため、若い方々中心の報告になっています。発表内容は、医学の様々な分野で日本のEBMの、ひいては臨床医学の強化に寄与するものと思われます。
同時に、各発表者は臨床医療の仕事をしながら研究されてきている方ばかりです。医学研究に携われる方はもちろん、その他の仕事をお持ちの方にも私たちの活動に興味をもっていただき、共に勉強していただくきっかけになれば幸いです。
林 敬次
こちらからPDFにて閲覧できます(A4・本文46ページ)。
〈目 次〉
- はじめに
- 医問研ニュース500号までの歩み(林 敬次)
- 批判的思考能力と科学的根拠に基づく医療(森本靖久)
- 学生時代に主催した勉強会について(房安直子)
- 発達障害への気づきは子どもたちの生活を豊かにしたのか(清水 誠)
- フィリピンの貧困地区における健診を通した子供の健康状況についての継続調査(山本八穂・森 國悦・松尾博哉)
- 代謝疾患としてのがん─ がんの起源に関するパラダイムシフト(松本有史)
- 「福島周辺の周産期死亡増加」論文のMedicine掲載とそれに対する反論(森 國悦)
- 学会での取り組み:EBMでの検討結果を社会に広げる(高松 勇)
- 岐路に立つ「科学的エビデンス」 EBMが危うい! 必要な検討なしにRCTを「リアルワールドデータ」(観察研究)で代替/例会シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」内容報告(寺岡章雄)
- おわりに