2018年度 AKCDF健診報告(NEWS No.516 p07)

AKCDF preschool leaning centerは、フィリピンのマニラ首都圏の北西部マラボン市のイーストリバーサイドと呼ばれる貧困地区にある未就学児が通うpreschoolです。1988年、一民間人であるフロールデリサ・ガランさんによって設立されました。AKCDFへの医療問題研究会による医療協力(入園児健診)は1992年に始まり、毎年の健診を通して現地の状況や要望を把握し、どのような協力が可能であり望ましいかを探りながら継続されています。今年度の健診は医師、薬剤師、理学療法士、child volunteer(小5)の4名で参加しました。日程は、土曜日の健診前日に入国していた今までと違い、水曜日から現地入りしました。日本人スタッフ同士で打合せを行う時間を現地にて十分に持つことができる、AKCDF側にうまく伝わっていなかった情報が事前に把握できる、そのフォローの打合せをすることができる等のメリットが多くあり、今後もこの日程が望まし
いと思われました。また今回は初めての試みとして、健診前に糖尿病や育児に対する知識を提供する教育セミナーを開催しました。いずれのテーマも保護者にとって興味がある内容であるとおっしゃっていただけました。現地にて初めて知ったのですが、隣の建物にて現地スタッフによる教育セミナー(災害予防について・栄養について)がその後の入園児健診と同時開催されていました。私が初めて参加した2001年当時は入園児健診だけが行われていましたが、現在ではそれのみでなく、現地ボランティアの参加による地域の取り組みへと大きく発展していることが感じられうれしく思いました。入園児健診については、今年度は日本人スタッフの人数がぎりぎりの状況だったのですが、ラサールアラネタ大学のボランティア学生数名が身長体重測定を担当してくださったおかげと、入江先生に教えていただいた超音波式身長計導入のおかげで当初の心配よりもスムーズにすすみ、無事例年通りの時間にて終了することができました。今後は、2月のピースフェスタの時期に身長体重計測等の簡単な内容の健診と保護者や教師の方に対する教育セミナーを行うことで、子供たちが自分の成長や健康に対して関心をもてる、子供たちに関わる大人たちに必要な知識を伝える機会をさらにつくることを検討しています。

神戸大学保健学研究科・特定非営利活動法人リハケア神戸 山本