コロナ禍の中での他の感染症、今回はインフルエンザの動向(NEWS No.556 p05)

毎年9月過ぎになると、恒例のごとく冬に向けて、インフルエンザの猛威が報道され、ワクチン接種が叫ばれてきました。10月にはちらほら地域の小学校でも学級閉鎖がみられ、発熱で受診すると迅速検査が行われタミフルが処方され、5日間の登校停止といわれ、学校は休校の生徒のカウントが始まります。新型コロナで社会に変化が起こった2020年2月ごろから、春先の大流行が姿を消しています。そして昨年も今年も、この時期の立ち上がりがみられません。

この季節性の変化を、経年的に引き延ばして図示します。

1999年から毎シーズン約1000万人の流行を繰り返していました。上の折れ線グラフは、ワクチン使用量で毎年3000万本で、流行を抑えていないことは、以前から指摘されていました。今回流行がみられないことから、新型コロナの中での私たちの生活変容の何かが影響しているようです。ワクチンに頼る必要がない、インフルエンザとの新しい付き合い方のヒントになりそうです。

入江診療所 入江