副作用に対する専門家評価批判、および5-11歳への副作用について(NEWS No.560 p04)

新型コロナウィルスのファイザーmRNAワクチンについて2022年1月22日から5-11歳に接種が拡大された。昨年2021年6月より12-15歳への接種対象拡大、12月には同年齢への3回目接種奨励に続く接種対象の拡大である。ファイザーワクチンは、国内での臨床試験が大幅に省かれている「特例承認」ワクチンである。「特例承認」されたのは、2009年の新型インフルエンザワクチン以来であり、新型コロナ関連のファイザー、モデルナ、アストロゼネカの各ワクチンに加えレムデシベル等の治療薬がある。「特例承認」ワクチンは、多数、長期の安全性、有効性評価が出ておらず、2009年の新型インフルエンザ接種後の100名を超える死亡者の例もあり、リアルワールドでの厳密な安全性、有効性評価が必要である。

2022年4月現在、ワクチン接種後の死亡報告例は1500名を超えた。本号では現在までの副反応評価の問題点を指摘し次いで小児への接種拡大に伴う危険性について指摘したい。

A.国立感染症研究所から新型コロナワクチン接種後の副反応疑い報告基準が出されている。厚生科学審議会・予防接種ワクチン副反応検討部会(以下厚生審議会と略)では、PDFのデータベースが公表されているが、この報告基準に基づいているようである。コロナ接種後の死亡例の報告は「医師が関連性が高いと認める」場合に報告義務があるとなっていて、全例報告ではない。

4月第78回厚生審議会では12歳から105歳まで、累計1522名の死亡報告発表されている。

上のグラフに示すように、接種0-1日目に死亡者は多く、以後急激に減少するのがわかる。接種が死亡と密接に関係していることが示唆されることは以前にも述べた。

年齢群別の死亡を見ると、12歳から19歳までに6人の死亡が報告されている。心臓関連死は30%程度で、通常急死の60%程度といわれるのに比べ、死因の多様性がうかがわれる。

死亡例を見てみる。13歳の死亡例は「接種後4時間で食事、その2時間後入浴、上がってこないため見に行くと浴槽で亡くなっていた」症例である。解剖しているが、これに対し専門家は「致死的不整脈を考えるが心筋障害の可能性は低い」と。また、接種6日後突然心停止した16歳の例に対しては「現状の情報で原因の評価は不可能」と切って先に進まない。

一方接種後8日で心停止を起こし、解剖で心筋炎の診断がついた27歳のプロ野球選手に対しては、「高度な僧帽弁逆流が基礎疾患にあり、心筋炎があってもそれが死亡の原因とはいえない。他のウィルスによる心筋炎かもしれない」旨のコメントをし、歯切れよく心筋炎を否定している。報告者が死因とワクチン接種の関連性が高いと思うかにかかわらず、ワクチン後死亡例全例を報告し、死因の疫学的な分析体制を整えることが急務である。

副反応として報告義務のある疾患である心筋炎と血小板減少を伴う血栓症(TTS)について。心筋炎、TTSともワクチンとの関係が証明されている副反応である。下の表は心筋症についてまとめたものである。

20代をピークに12-39歳に多い。ここには掲載していないが、ブライトン分類でワクチンとの関連が強く疑われる例は8例である。

TTSについてを以下に示す。特にTTSは予後が悪いことが知られている。

表のTTSの12-15歳、20-29歳の予後不明例に注目してほしい。実は前者は最初に後遺症ありとされ、3度確認された後予後不明とされてしまった。後者については最初死亡との報告が2度続きその後予後不明とされてしまった。ここに審議会や専門家の役割を垣間見ることができる。ワクチンとの因果関係について、重篤な副作用については認めてはいけないというのが専門家なのだろうか?ここに至っては「特例承認」であるが故のより厳密な安全性対策どころの話ではない。

B次に.5-11歳へのワクチン接種の(初期の)安全性について述べる。

アメリカとイスラエルでは2021年11月から5歳から11歳までのワクチン接種が許可、推奨された。12歳以上へ接種承認されたファイザー製品の一回接種量はmRNA量で30μgであったが、5-11歳の小児へは一回量を10μgと減量され、2回接種とされた。世界的な小児へのCOVID-19流行について、ワクチンそのものの早急な効果減衰や集団免疫ができないという点を隠し、オミクロン株に対応するという名目からの接種対象拡大である。その後欧州、日本など5-11歳への接種が拡大されているが、UK,ドイツは条件付きである。

先行したUSAでは11月―12月に5-11歳の870万人に接種がなされ4219名についてVAERSからの副反応報告を示す。発熱7%、疲労5%に認め重いものは、4219名中100例あり内訳は高熱29例、痙攣10例、ICU収容9例であった。

心筋炎の報告についてアメリカCDCから、870万人に接種後、心筋炎の報告が12例、そのうち11例は軽症とされている。イスラエルからは12-15歳を含めた29歳までの3回目のブースター接種までの心筋炎の報告がある。2回目接種で12-15歳10人/15万回、16-19歳36人/22万回、20-24歳26人/25万回、25-29歳20人/24万回であった。

5-11歳は痙攣、発熱等がワクチン量を減らしたにもかかわらず多いし心筋炎についても少なからず発症している。有効性も勘案し、勧められるワクチンではないと考える。