コロナワクチンの子どもへの「努力義務化」反対(NEWS No.565 p01)

政府は、9月6日から、小児(5~11歳)に対する初回(1回目・2回目)、3回目接種に努力義務を適用しました。「ウイズコロナ」では、少々の感染はOKとしながら、その理由を「オミクロン株の流行にともない、重症者数が増加傾向に」あり、「この年令での有効性は、発症予防効果は中等度、入院予防効果は接種後2か月で薬80%」で、安全性は重大な懸念がないとしています。

<根拠論文データからも努力義務化は不可>

まず、その根拠としている引用論文1)では、「感染・入院」を減らす効果が、5-11歳までのオミクロン株で「部分的接種」が感染を14%、入院を42%防ぎ、「完全接種者」ではそれぞれ65%と82.7%防ぐとしています。ところが、同論文の2回接種後の感染抑制は、投与後30-59日で28.5%、60日以上後では25.6%です。これでは、入院を82.7%も防ぐことは大変疑問です。なお、厚労省の引用文献ではありませんがオミクロン株での2回目接種後の効果は、2か月後には子どもで28.9%、青年では16.6%に低下しています。2)

有害作用の、厚労省の引用論文3)で、アメリカの3種類の副作用データベース(v-safe、VAERS、ワクチン安全性データリンク)の分析で、害は「大したことはなかった」としています。なお、著者らのうち3人は製薬会社との明白な利益相反を認めています。CDCの副作用情報4)では、発熱が1回目7.8%、2回目15.4%、3回目16.9% 、日常生活不可が それぞれ4.7%、7.5%、12.1% となっており、日本で「努力義務」化されている他のワクチンとはけた違いの有害作用です。

以上、努力義務化の根拠論文からは疑問だらけの効果と有害作用です。

<日本での感染後死亡とワクチン後死亡>

それでは、日本での子どものコロナ感染死亡とワクチン後の死亡はどうでしょうか。

日本でのコロナ感染での死亡は9月13日までに、10歳未満19人、10代は10人計29人です。5)これとは別に、国立感染研の「新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第1報)」では、2022年1月1日から8月31日までの集計で、0歳8人、1-4歳6人、5-11歳12人、12-19歳3人、計29人です。

また、国立感染研のデータでは、接種対象内の死者15例中13例が未接種、2例が2回接種でした。急に、ワクチン接種に有利そうなデータが発表されていますが、この時期までの2回目接種率が5-11歳21.7%ですからこの年令層では当然、未接種者患者が多くなりますが、そのことには触れていません。

2)コロナワクチン接種後の死亡数は、死亡報告から抽出すると、19歳3人、16歳5人、13歳2人、12歳1人の11人です6)

全年令でのワクチン後の死亡者数報告が接種時期の経過と共に極端に減少していることなどから、ワクチン接種後の死亡数の多くが報告されていないと考えられます。小児へのワクチン接種後の死亡数とコロナ感染による死亡数が大きく違わないことを考えれば、ワクチン接種の利益よりも害の方が多い可能性は大です。

コロナワクチン接種による子どもの死亡・重症を減らすという明確なデータも、長期間にわたる様々な有害作用の研究もないままです。

はっきりしているのは、子どもへの努力義務化することはワクチン企業にとって巨大な利益になることです。企業利益のための接種には断固反対しなければなりません。

<文献>

1)N Engl J Med 2022; 387:525-532.

2)JAMA2022;327(22):22210-2219.doi:10.1001/jama.2022.7493

3)Pediatrics, 2022;150(2): e2022057313

4) MMWR Morb, 2022; 71:1047 1051

5) www.ipss.go.jp/projects/j/Choju/covid19/index.asp,

6) 9月2日第83回厚生科学審機会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

(当ニュース(ebm-jp.com)561、560、558号もご参照下さい。)