医問研2022年活動を振り返る (NEWS No.568 p01)

今年は、コロナ・オミクロン株の第6波で明けましたが、夏の第7波では最高の感染者と死亡者を数えました。今それを超える勢いで第8波を迎えています。医問研もコロナに追われる一年でした。1月号の方針に沿って今年を振り返ります。

【コロナ関連】

方針どおりコロナワクチンに関して特に子どもへの努力義務化の問題点を4回にわたって医問研ニュースに掲載、例会でも討議し、問題点を明確にしました。また、オミクロン株による流行の評価にも努力しました。コロナの経口薬ラゲブリオの批判等を例会・ニュースに掲載するとともに、イギリス医師会雑誌BMJにLetterで掲載されました。それらを契機に共同通信社の大きな配信記事が掲載され、塩野義の「ゾコーバ」の緊急承認審議に一定の影響を与えた可能性があります。ワクチンによる死亡や有害事象の分析をしました。ドイツのシェアブ氏との共同研究も継続中です。

【例会】

リモート開催を継続し、入江氏によるズームでのスムーズな運営がされるようなりました。今年も隔月の寺岡氏報告を中心に、多くの課題で議論できました。発表者が多少限定しましたが、松本氏の多忙な中での発表などありました。浜氏からは適宜貴重な発表とアドバイスをいただき引き締まった議論ができました。日常の仕事などからの疑問についての議論は引き続きの課題となりました。

【ニュース】

コロナ感染者数の激増でコロナ問題の記事が圧倒的に多くなりました。他方で、様々な問題に関する内容も掲載されました。カジノ問題、福島問題(原発賠償訴訟を闘う福島敦子氏からもご寄稿いただきました)、自閉症スペクトラム、保湿剤、CDCの問題点などです。今年も、編集・印刷・発送でいくつかのミスが発生し、ご迷惑をおかけました。Wordでの編集の問題も生じました。

【民主団体との連携】

ZENKO参加、MDS新聞への寄稿、薬のチェックとの例会などでの討議、コンシューマネット・ジャパン等への山本氏の寄稿、福祉問題の諸団体との連帯を続けました。カジノ反対署名に取り組みました。

【学会活動】

4月に福島で開催された日本小児科学会に3人が参加し、シンポジウムなどでの事故後何の障害も現れていないとする推進派の発表に、フロアーからできる限りの反論をして、嘘の発表の一部を明らかにしました。同時に、「復興」を演出する現場に行き、いまだに強い放射線量が残存していることを目に焼き付け、健康障害の研究の糧としてきました。その他は、ほとんど取り組めませんでした。

【福島原発事故関連】

甲状腺がん被害者6人が勇気を出して裁判に立ち上がりました。彼らのために私達の研究が役立つよう行動を始めました。国連科学委員会2020年報告での私達の論文に対する誹謗中傷と思われる「反論」に対するパンフレットの発行はできませんでした。その後、出現しているかも知れない放射線障害の分析も課題として残されました。

【フィリピン関連】

健診などはコロナ状況から無理でしたので、今後の課題になりました。

以上を踏まえて、2023年の方針を1月の例会で議論したいと思います。