2022年のかつてない高い超過死亡率が証明されました(Hagen Scherb氏との、「ドイツと日本の年間全死亡率(2005年~2022年)Covid-19パンデミックを中心に:仮説と傾向分析。」(下図)論文を出版) (NEWS No.572 p04)

材料は、日本とドイツの行政当局の発表しているデータです。この取り組みは既に半年以上前から始まったのですが、投稿する雑誌や考察について議論している間に、日本での2022年の死亡数が極端に増加する可能性が見えてきて、2022年のデータも含めたために発表が遅くなりました。

これまでのほとんどの超過死亡率の推定は、数年前、ないし前年との比較でされていました。この方法だと、ドイツ・日本・韓国など高齢化し年々死亡率が増加している場合と、ロシアなど年々死亡率が低下している場合では、超過死亡率に誤差が生じます。増加している場合は、数年前と比べると自然増も含めての超過数になり、大きくなります。逆に、減少している場合は、数年間の減少が超過死亡数から引かれることになり、小さくなります。

これを克服し、様々な要因を含んだ超過死亡率を推定するためには、長期の死亡率の「傾向」から求めなければならない、というのが今回の方法の基本的考え方です。

右段上図は、日本の死亡率の推移です。2005年から022年までの17年間の推移を図示しています。2011-13年までと、2020-22年を除く11年間の推移は安定しています。図の太い点線から垂直に計測した人数がその年の超過死亡数になります。なお、太い直線の上下の細い直線は、95%信頼区間になり、この線を超えると超過増か超過減になります。

2011-13年の超過死亡「●」は東北大震災・原発事故に関連するものです。政府発表では東北大震災の確認された死者数は19747人(2500人以上の行方不明)です。しかし、今回の推定では48962人の超過死亡数で、多くの人々が災害の間接的な原因で死亡した可能性を示しています。3年間では8万人の超過死亡が推定されました。

コロナパンデミックの2020年はオッヅ比0.971で下がりますが、2021年は1.008(0.8%増)、2022年には8.37%(95%信頼区間:6.47 to 9.97)と大きくジャンプしています。

他方で、ドイツでは下図のように、2020年から増加傾向となり、2021-22年は大きな超過死亡を示しています。

「高所得国でのCOVID-19による2020年の死亡者数の多さが確認されたとされる、公式の恐怖を煽るような予測は、日本もドイツも実現しませんでした。しかし、2020年、2021年の初期調査に基づくと、大きな被害は予想されないとされました。したがって、2021年と2022年のドイツと日本における約5~10%の死亡率の大幅な増加が、即時または長期の副作用が過小評価されている可能性のあるワクチン接種を含むパンデミック対策にどの程度起因しているのかを調査する必要があります。マルタのマテル・デイ病院での研究では、住民のワクチン接種率は、長期にわたる救急搬送の頻度と正の相関がありました。このことから、ある国では、高いワクチン接種率が全死因死亡率の上昇に寄与している可能性があると思われます。したがって、今後数年間は、国内の経年的な死亡率の推移を注視し、著しい超過死亡の原因となり得るものを検討することが重要です。」が結論です。本文は以下でご覧ください。

https://www.sciencexcel.com/article/annual-cause-mortality-rate-germany-japan-focus-covid-pandemic-hypotheses-trend-analyses

現在、コロナワクチンとの関連をより詳しく分析中です。

(はやし小児科  林敬次)