ワクチントーク全国集会2023に参加して(NEWS No.578 p05)

10月15日、東京で「予防接種は何を受けますか?コロナワクチンから考える子どものワクチン総点検と救済制度」をテーマに開かれたワクチントーク全国の2023集会に講演者の一人として参加した。

ワクチントーク全国は、集団接種に無効なインフルエンザワクチンの学童、生徒への義務接種中止を受けて、すべての予防接種について勉強し、語り合い、行動する市民団体として1990年に発足。ワクチン被害者を軸にした活動を継続してきた。一方、医問研としては、科学的な薬剤追及の一つとしてワクチンをテーマとしてきており、インフルエンザ、ムンプス、BCGワクチンなどの効果と安全性についての論議を通じて、ワクチントークとの関係を積み上げてきた。

行政や医療界から疾患や健康被害の危険性をあおりつつ、他方で巨大製薬会社から、安全性を無視しながら薬剤の効果を宣伝するマッチポンプが、制度として定着してきた。ワクチンも数年間この流れの中に位置づけられ、その典型が新型コロナワクチンである。

今回の全国集会で、私からは「コロナワクチンの有効性・安全性~子どもへの接種」と題して講演。次いで「2つの同時接種被害から考える審査請求の問題点と可能性」(青野典子、栗原敦氏)、「アフターコロナの予防接種と救済制度」(古賀真子氏)、「臨床医師として予防接種問題にかかわってきた経験から」(黒部信一氏)、「コロナとこどもの発達~発達応用心理学の立場から 大切な人の笑顔を見ずに子供は育つか」(田中真介氏)、「HPVワクチンはこれからどうなる?」(打出喜義氏)らの講演と質疑が行われた。

2000名を超える死者請求を数えるなど、前代未聞の新型コロナワクチン被害を背景に、様々なワクチン被害者家族や支援者、ワクチンの安全を求める市民の集いとして熱気を込めたものとなった。私の報告は医問研ニュース紙面でも紹介してきたので、他の方々の報告を紹介する。

ワクチントーク全国の理事長青野典子氏は、PMDAからのデータを詳細に分析し、いかにコロナワクチン後多数の死者が出たかを具体例を中心に展開した。また、栗原敦氏は、ワクチントークがかかわってきたワクチン被害者の被害認定について示し、粘り強い支援がいかに大事かを示した。コンシューマージャパン(旧日本消費者連盟)理事長の古賀真子氏は、現在の被害認定制度の問題点について展開し、個々人に任されている被害請求もハードルが高く課題は多い点を系統的に明らかにした。京都大学の田中真介氏は、マスクが如何に乳幼児の発育を妨げているかを、例えば鼻が幼児の作画で描かれなくなったなどのユニークな資料を使って展開した。無用なコロナ禍をあおる政策が乳幼児にも影響を与えていることがよく理解できた。打出喜義氏はもともと大学病院の産婦人科講師を務めていた方であるが、治験薬使用時の情報が被験者に伝えられていないことから患者サイドでない医療に疑問を持ち始めた方で、DPTワクチンについて、被害の多さと効果のあいまいさについて展開した。

会場からはワクチントーク北海道代表の萩原敏子氏の北海道での運動紹介が印象的であった。北海道知事へ「北海道における日本脳炎ワクチンの定期接種を中止し、区域指定に戻し「受ける側の選択権」の保障を求める要請書」を提出した内容である。コガタアカイエ蚊の生息しない北海道は日本脳炎の定期接種対象ではなく、知事権限で「定期接種を必要としない区域」に指定し、40年間接種をしてこなかった。が、2016年区域指定を外し定期接種となった。40年間一件も日本脳炎の発生を見なかった北海道で、その後ワクチン副反応24件、重篤例7件の報告があった。このような背景で区域指定に戻すよう要請書を提出したものであるという。要求の具体性と柔軟性、論理の正しさなど、日常の活動に支えられたことを示す、愁眉の報告であった。

このほかマスクの功罪や有効性を巡る論議や、最近のインフルエンザ流行をどうとらえるかなど白熱した論議が展開された。

コロナワクチンの副反応請求に対する審議会の中で、死亡例だけで2000件を超えることが明らかになり、製造業者の責任である安全性データすら満足に提出されないまま予想をはるかに超えるコロナワクチンの被害が公表された現状の中で、安全性を求めるワクチントークの地道な運動が、医療に不可欠の要素であることが改めて認識された集会であった。また、行政と製造業者一体となった「なんでも」ワクチンを接種すべきという圧力の中でも、HPVや日本脳炎などのワクチン被害の請求、ワクチンそのものの見直しを求める動きの活性化なども鮮明化された集まりであった。

なお、本紙面の都合で個々の発表や活動についてはさわりに触れた程度の紹介であるが、ぜひ今回の集会資料を手に取り、一読されてほしい。

■連絡先 ワクチントーク事務局(03-3777―1946) 担当青野

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