2023年の団結まつり(NEWS No.578 p07)

半世紀以上前の「死の商人(岡倉古志郎著)」を思い出す昨今です。武力の標的・犠牲になるのは誰なのか?を痛感します。

「STOP! 戦争・カジノ・原発 誰もが人らしく生きられる社会を! 国際連帯で東アジアの平和をつくる10.22団結まつり」は好天に恵まれた扇町公園(大阪市)で開催され、日頃さまざまな課題で「誰もが人らしく生きられる社会」を目指す取り組みを続けている人々が集いました。医問研も「健康相談」のバナーを掲げて数名の方のご相談を受けました。

沖縄の「命ぬちどぅ宝」(命こそ宝)の心を広げることを目指す「月桃の花」歌舞団のエイサーがまつりの始まりを告げます。若い新メンバーが力強く前面で舞い、練習の頑張りが滲み出ている様に感じました。同歌舞団では「子ども7人に1人が貧困と言われ、『生きる希望』をも蝕んでいる日本社会で、沖縄のエイサーを通じて『自己肯定感を持ち自信をもって生きていく力』を子供たちにも育んでいく活動を続けています。

今年1月鹿児島県馬毛島にて自衛隊・米軍基地建設の着工。3月沖縄県石垣島の自衛隊ミサイル基地開設。建設された与那国・宮古・奄美・沖縄島での自衛隊基地へのミサイル・弾薬の持ち込み。辺野古新基地建設では軟弱地盤による設計変更の承認を代執行訴訟で強行しようとする国。まつりの展示企画「沖縄写真パネル展」では、島々で営まれている日常生活のすぐ傍にある軍事力の露わな姿に今更ながら恐ろしさを感じました。国内の重要な事実なのに何故マスコミは取り上げないのでしょうか?

この数年来まつりには沖縄からのゲスト参加が続いていますが、今年は山城博治氏の訴えを聞くことができました。

山城氏は辺野古新基地建設反対の座り込みを続ける中で不当逮捕され長期の勾留を耐え抜かれた方です。昨年1月「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」を結成、本年9月24日「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」立ち上げに尽力され事務局長を担っておられます。

「沖縄は人間の住む島です・島々にミサイルを持ち込み戦争の準備をすることを断じて許しません」との決意のもと、11月23日「沖縄で一番広い(山城氏)」奥武山公園陸上競技場で「県民の会」主催の「全国連帯 11.23 県民平和大集会」が開催されます。山城氏は県内や全国から一万人の参加を目指して大阪にも来られていました。

医問研ニュース読者の皆様にも注目・参加をお願いしたいです。

まつり広場には「夢洲カジノ誘致は止められる」と題した展示企画もあり、カジノ実施協定・夢洲の地盤沈下と土壌汚染などの問題点をパネルで報告。また万博・IR建設工事で失われた夢洲の自然、「生物多様性のホットスポット」を多くの写真で説明して下さる方も待機されていました。

お昼の12時からは、参加者同士の意見交流の場がありました。韓国からのゲスト「希望連帯労組」や「なかまユニオン」参加の労働問題、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかけるカジノ問題、なかまユニオン教職員部会による子供たちの教育環境問題など。

私は原発賠償京都訴訟団(原告団・弁護団・支援する会)呼びかけの「原告・支援者交流ひろば」に参加しました。

訴訟団は今年6月から大阪高裁前の西天満若松浜公園で期日開廷前のアピール集会に続き、高裁周囲を「原発事故は 国の責任!」「忖度判決 お断り 勇気をもって判断を!」とコールしながらパレードしています。その声は事前協議中の裁判官・弁護士にも届いています。

12月12日控訴審第20回期日では、通常では行われない、一審で陳述した原告が再び法廷に立つことが出来ます。「一審から時間も経っていますから」との裁判長の言葉を引き出したのです。原告の方々が一審では困難が大きく「言葉にできなかった」思いを訴えます。

「裁判官に決断を求める本気の200人パレード」にご参加を!

傍聴席の満杯を目指しましょう!

(小児科医 伊集院)