製薬企業の利益の守るノーベル賞(NEWS No.580 p07)

12月11日、カタリン・カリコ氏とドリュー・ワイズマン氏がノーベル賞の生理学・医学賞を受け取りました。ご存じの通り、彼らはmRNAワクチンの開発に貢献したためです。カタリン氏は今後mRNAを使ったガンに対するワクチンの臨床試験が世界中で約250件進んでいる、と話しています。これは大変な問題です。その前に、mRNAワクチンの効果と有害作用を正確に知るべきです。

当ニュースでは、多くの文章でコロナワクチンの効果のなさ、有害作用の多さを指摘してきました。当初、これが感染率を95%減らすとのNEJMなどに掲載された臨床試験結果に翻弄されそうでした。私たちは、この臨床試験は信頼できないので接種を推奨しませんでした。

今や以下のようなこのワクチンの否定的側面が明らかになりました。

ワクチン接種率が世界で最も高い国である日本で、1から9波の大流行を防ぐことができず、コロナ感染による多大の後遺症・死者を出しました。[1]私は、市販後に臨床効果を検討して「効果90%以上」との論文の多くで、効果が出るはずのない接種1-2週間以内に大きな効果があったことを、バイアスの存在の示す「早すぎる効果」として、その問題点を英国医学雑誌BMJ副編集長の添削で「rapid response」投稿しました。

臨床試験での隠されていた有害事象の一部が公開されました。それらから、Fraiman Jらは「ワクチンが減らす入院数をはるかに超える『重篤な有害事象』が発生した」ことなど有害性の大きさを証明しています。[2]また、最近Michels Cらは、臨床試験フェイズⅡ/Ⅲの死亡者の病理解剖所見を裁判で公開させ、RCTでの試験中に循環器疾患死亡がワクチン群は11人で生食群3人の3.7倍、全死者数は21対17だったと報告しています。[3]

これらの報告を裏づけるように、日本でも、これまでのワクチンでは考えられないような率で有害事象が発生しています。厚労省集計でも医療機関からの接種後の死亡報告数は1998人(2023年10月まで)です。重篤有害事象に至っては接種1万人(2万回)当り0.72件(ファイザー2021年2月から11月)でした。2023年12月までに累計接種は43327万回ですので、実に15万6千人の重篤な「副作用」が生じたことになります。しかも、この数字はRCTでの頻度の約100分の1程度です。[4]

また、私たちのドイツと日本の超過死亡のデータ[5]は、コロナワクチンの大量接種との関連を示唆しています。同じ指摘[6]は、小島勢二名古屋大学名誉教授もされています。

こうした、コロナワクチンに対する疑問が増大する中でmRNAワクチン開発が「ノーベル賞」を受賞したのです。

このことは抗がん剤「オプシーボ」の経過と大変似ています。当初、オプシーボは免疫チェックポイント阻害抗がん剤として、夢のような効果をもたらすと宣伝されました。その結果、一人当たり費用が2014年には年3500万円、日本全体で年1兆7千億投じるに値する効果があるとされました。しかし、「欧州臨床腫瘍学会」は、その主要な「再発肺がん」に効果なし、としました。[7]

私は近藤誠氏の逝去後に追悼文[8]を書きましたが、伊藤乾氏が近藤氏の業績に泥をかけるネット上の文章を読みました。それには、オプジーボの効果を認めない近藤誠氏は間違っている、なぜなら、近藤氏が批判する免疫チェックポイント抗がん剤の基礎を作った本荘祐氏が2018年にノーベル賞を受賞したからだ、と書かれていました。

今や、ノーベル賞は効かない薬・ワクチンの宣伝と、その効果と有害作用に対する批判を封じるための重要な手段にもなっている様

です。    はやし小児科 林敬次


<文献>No.は医問研ニュースの号

1、No.596,570号等、

2,No.567,

3,doi: 10.20944/preprints202309.0131.v1 4

4,No.567

5, No.573

6, 検証コロナワクチン、花伝社、2023年6月30日

7. No.495, 496

8, No567