新型コロナワクチンを巡る現在までの総括(NEWS No.589 p04)

本稿は医問研ニュース6月号、7月2日ワクチントークで発表した資料、週刊MDS8月2日号に投稿した新型コロナワクチンの副反応についての文章をまとめたものである。

2019年12月中国から始まり、翌2020年1月に日本での初感染者(Index case )が報告された新型コロナウイルス感染症は、2024年4月までの日本での累計感染者数は3000万人台と推定され、2020-2023年の累計死者数は10万5950人(6月5日厚労省)と推計される。

なお2023年5月9日以降、新型コロナウイルス感染は2類感染相当から5類相当となり以後感染者数はそれまでの全数把握から、COVID19定点医療機関からの週次報告、重症者はG-MIS医療機関からの週次報告、死亡数は各都道府県からの月次報告となったため、それ以前のデータとの直接比較はできない。

2024年8月に入り、全国的に新型コロナ感染者数は減少傾向にあるが、本稿では、2類相当であった2023年5月8日までの新型コロナ騒動の中で、パンデミック当初から渇望され2021年2月開始された新型コロナワクチンについて有効性、副反応の二つの点から分析した。

第一はワクチンの有効性の評価という観点からの分析である。感染予防、重症化予防については、21年の世界的な接種開始当時より、各国に先駆けて大規模接種を勧めたイスラエルで感染減少が少なかった事実、英国、北欧各国で有効性が明らかでなく、接種中止となったことが明らかとなってきた。一方で、2022年に世界一の接種率となった後、世界一の感染国となった日本はいまなおワクチン接種にしがみついている。もっとも、2022年7月の第90回アドバイザリーボードで国立感染症研究所の鈴木基氏、京大の西浦氏、北大の押谷氏らは(オミクロン株の流行を理由に挙げてはいるが)推定接種回数をもとにしたワクチン効果の評価はあてにならないという結論を発表している。

第二は安全性という視点からの評価であり、本稿の主題である。最も強調すべき点は、今までのワクチンに類を見ない接種後の死亡者データ被害が明らかとなり、現在も増加していることである。この過程は現在でも隠されていることが多く、これを明らかにし、ワクチン接種との関連を明らかにすることが本論の目的でもある。

コロナワクチンの安全性評価については2021年2月17日にワクチン接種が開始され、2月25日までの3例のワクチン接種後死亡報告が2月26日の第52回厚生科学審議会に報告されて以降、2024年4月の第101回厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、以後審議会と略)までにワクチン製造業者と接種医療機関から審議会に提出されている死亡者のデータ、死亡被害関係者が自治体を通じて提出した死亡被害申請データと、それに対しアドバイザリーボードに公表された「α、β、γ、空欄」という専門家評価の妥当性を比較、分析した。

分析方法は2014年以降の基幹統計である人口動態統計e-Statの「年次別年齢群別全人口動態統計」と、「簡単死因別年齢別死亡数」を用いて、新型コロナワクチン接種開始前の2014年―2019年を対照とした2020-23年の死亡率の比較対照分析である。

分析結果についてはまずデータ開示が不十分ななか、2024年4月の第101回審議会データまでのワクチン接種後の死亡件数報告から2020件のデータベースを確定した(39歳以下116例、40-64歳291例、65-79歳587例、80歳以上1007例、年齢不明19例)。(表1)にこの2020件について、接種から死亡原因と推定される症状出現までの推定日数を示した。

表3

接種当日発熱、翌日接種会場でなくなっているのが確認された例など、接種1日後の死亡がピークであった。接種一週間以内の症状出現の多さは、他原因の紛れ込みでなく、ワクチン接種が死因であることを強く示唆する。

この2020件の死亡数をどう考えるべきか。ワクチン救済制度の下で、2021年8月から2024年3月までコロナワクチン接種後の死亡では439件が認定されている。制度が始まった1977年から2021年12月まで44年間のコロナを除く全ワクチンの死亡認定151件をはるかに上回る。どのワクチン接種後死亡も遺族にとっては筆舌に尽くしえないものである点を考えても接種後死亡者の多さは異常である。

(表2)に心筋症関連死のうち「不整脈及び伝導障害死(表2)を示す。2021-23年の年齢群別死亡率は明らかに2018-20年を上回り、統計的に有意である。このことは、ワクチン接種開始後の死亡にワクチン接種そのものが関与している可能性が強いことを示唆する。

表2

(表3)に超過死亡の推移を示す。超過死亡は高齢者人口の増加に伴い増加するが、東日本大震災時のジャンプに続き、2020年にいったん減少後、2021年に続く2022年に大きなジャンプが認められる。これもワクチン効果でなくワクチンによる死亡を強く示唆するデータである。

以上から、コロナワクチンは、多数の死者を生みだしている可能性が高い。膨大なワクチン被害を救済するとともに、有害無益なワクチン接種はやめ、必要な検査、医療態勢の充実にこそ力を注ぐべきであると考える。