浮き雲保健婦ぶーやんの呟き(NEWS No.456 p05)

「猛暑お見舞い申し上げます~」の巻

2013 盛夏 まだ梅雨明けの前から連日の猛暑!

そして、最高気温を観測! 41℃・・・高知県四万十では、昨年より平均気温が8度も高いとか。

体温では、重症な温度。観測は 涼しい芝生に立っている百葉箱の中にある温度計なので、実際のコンクリートジャングルでは、世にも恐ろしい温度になっているはずだ。

そんなアスファルトの上を、バギーに乗ってお出かけしてくる乳幼児たちは、軽く体温が上がってしまうに違いない。

つどいの広場の開放ルームにも、真っ赤っ赤(まっかっか)な顔をした親子が、駆け込んでくる毎日。

抱っこベルトで、胸に抱かれてやってくると、母子ともにヒートアップ!汗だく。慌てて赤ちゃんを受け取り汗を拭いてあげるも、ぐったりしていることもある。

暑かろうと思った母心からか、薄いランニング一枚で手足は直射日光とガチンコ対決状態の2か月児。体格のいい1歳の子の汗を拭くのにタオルでも持っているかとママに聞けば、小さなハンカチだけ。もちろんTシャツの着替えなど、持参していない…など、驚くこともあるが、反面、ちょっとしたケアを教わる機会がなくなっているとも思える。

広場に到着して、汗が落ち着いた頃に、少しずつ衣類の工夫や、熱中症対策などの声をかけていくことにしている。少しずつ…

初めから、たくさん伝えると、落ち込んでしまったり、パニックになったりするので、一つ、一つ。

ある10か月の双子ちゃんのママは、どっと疲れて やっとの思いで 広場にたどり着いたような感じ。子どもたちは、到着するなり 人見知りもせず 汗を拭いてあげているスタッフと ご機嫌で遊び始める。ママもホッと一息つき、ため息。「頑張って来たね。」「楽しそうだねぇ。」「元気だね。」「賢いね~」などと、声をかけながら遊んでいると、突然、ママの目が、ウルウルに。驚いていると、ポツポツ話してくれた。

前日に、予防注射である医院へ行った時のこと。暑い中、必死で二人を連れて行き医院に到着。ご機嫌だと思っていたのに、医院で測った体温が37.7℃。何度か図りなおしている間に、何気なく先生に「まだ伝い歩きしないんですけど、他の子より遅いですよね?」と聞いてみた。すると先生から、「双子だから、ママの愛情も半分で、他の子に比べたら関わり半分だからね。もっと遊ばせてやって…云々カンヌン…」あとは、耳に入らなかったそうだ。『愛情半分…』この一言に、落ち込んでしまった。結局体温は37.4℃となり なんとか接種できたが、帰りは、『なんで あんなこと聞いてしまったんだろ~』『愛情半分』『もっと…』こんなに頑張っていると思っていたのに、一人で精一杯やっているのに、『半分』と言われても、人の倍、頑張れということなのか?

混乱する中、ぼーっとなり、どう帰ったか覚えていないと。

産後の不安定な心と、慣れない育児と、連日の経験のない猛暑で 疲労困憊のママは、何気ない先生の一言が突き刺さってしまい、瞬時に対処できなかった様子。

今、ここに来て皆と遊ぶ子どもたちを 一緒に喜んでくれる人が居ることが ホッとしたそうだ。

何気ない言葉に傷つき、何気ない事に励まされ、一歩一歩進んでいくしかない子育て。

過ぎ去った者からすれば、充実した日々だが、子育て真っ最中のママたちは、一生この辛さが続くように誤認し、一喜一憂し、振り回され憂鬱なものに思える時もある。

『頑張れ』と言われても、十分がんばっているのに、これ以上どうしろと?

『keep going!』「そのままで~」と、一緒に肩を並べて、子どもを見守ってくれ、ホッと一息出来る空間や、人間関係が ますます少なくなっているのかもしれない。

暑い夏休み、帰省や、旅行で 様々なドラマが繰り広げられる季節。どうか みなさん 元気に乗り越えて、また、お土産話を ゆっくり聞きますよ~。