ドイツの反原発・民主主義の運動との連帯強化 ドイツ在住桂木忍氏を迎え交流しました(NEWS No.523 p01)

交流会後、桂木氏を囲んで

3月24日、シェアプ・森・林などの論文を日本語訳をしていただいた*1、ドイツにお住まいの桂木忍氏が訪日され、医問研事務所で交流会を開催しました。そもそも、周産期死亡の論文ができたのも桂木氏がシェアプ氏などドイツの科学者を紹介してくれたおかげです。
桂木氏は、長年日本とドイツでの反原発運動などに参加され2013年にドイツに移住、反核運動など民主的運動に勢力的に参加し、福島原発事故に関しての重要な情報をドイツ市民に提供されています*2。その活動のネットワークを通じ、2014年医問研の3医師がドイツの核戦争防止国際医師会議IPPNWから招請されるように、ドイツ側に紹介していただきました。

交流会には、医問研の林敬次、森國悦、山本英彦、高松勇、梅田忠斎、入江紀夫、林泰子に加え、大変忙しい中を週刊MDS編集長の中条吉博氏、原発賠償京都訴訟を支援する会の奥森祥陽氏、耕文社の藤田敏雄氏、OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)山本由子氏に参加していただきました。

桂木氏からは「ドイツでの活動とドイツの最新状況」と題して、ドイツの一般的な状況ではなく、桂木氏がこの間参加されてきた多くの集会での講演・演説やデモへの参加などを紹介していただきました。
チェルノブイリ事故の教訓を、事故処理労働者などチェルノブイリ事故被害者たちを支援する活動などを通じて、自分たちの問題として行動する、団体の紹介でした。ドイツでは、そのような活動を通じ、2022年までに原発を完全に停止する計画という世界的に極めて重大な政策を勝ち取りました。その闘いの延長線上にある核燃料の処理工場問題や、福島原発事故後の脱原発デモ、東京オリンピック反対などの運動も紹介されました。その他にも多くの運動や団体の紹介がされました。
この後、中条氏から、日本全体の政治情勢の報告をしていただきました。今日の若者などを生活苦に追いやっている状況、安倍内閣を支えているマスコミ、その中で戦争と憲法改悪に立ちはだかる沖縄県民の闘い、今年の地方選挙などについても触れていただきました。
奥森氏からは、避難者の闘い、裁判闘争についての報告がありました。京都の避難者は、京都地裁での、避難は健康被害の予防的行為・20mSv/年を超えない地域でも避難継続の権利がある、ことなど大きな前進があり、現在は大阪地裁で闘っていること、さらに神奈川・千葉訴訟などが説明されました。
医問研からの3人の報告は、いずれも本ニュースに掲載されたないし、掲載予定の「福島での多くのがんの増加について」(森)、「甲状腺がん検出率と線量」(山本)、「本来集計されるべき甲状腺がん患者除外問題の分析」(高松)でした。

大変話し合いがはずんで、昼食時間を含めて4時間の楽しい集いとなりました。
桂木さんには、ドイツでのご活躍と共に、今後もドイツと日本の反原発運動、医問研との架け橋になっていただけることをお願いする次第です。

*1パンフレット「福島原発事故後、流産・乳児死亡率・周産期死亡が増加」(医問研ホームページに掲載中)
*2また、桂木氏の経歴などはネットで「チェルノブイリの今はフクシマの未来」(PDF)などでご本人が書かれておられます。