本の紹介 Archive

  • 本「がん治療の常識・非常識—患者にとっての最良の選択とは?」田中秀一 著 講談社

    本「がん治療の常識・非常識—患者にとっての最良の選択とは?」田中秀一 著 講談社

    がんの診断と治療についての,包括的な解説書がでました。といっても,いわゆる専門書ではなく,一般向けの新書本です。新書本ですが,取り上げている内容 は最新の薬や手術法,放射線療法から診断技術,さらに緩和の問題まで,盛りだくさんです。しかも,以前書かれた抗コレステロール薬の本と同様,極めて科学 的です。

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  • 本「メタボの暴走」船瀬 俊介 花伝社

    本「メタボの暴走」船瀬 俊介 花伝社

    おもしろい本が出ました。内容的には「?」という部分も多いのですが,メタボ健診のおかしさ,誤り,陰謀をうまく暴いてくれています。 まず,最初にメタボ健診の目的は,生活習慣病の予防と医療費の抑制(厚労省は「二兆円削減できる」と言っています!?)ということになっています。しか し,本書の試算によれば全面強制によるメタボ健診は,医療費を爆発的に増大させる危険性があるのです。

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  • 本「崩壊する日本の医療」鈴木 厚 著 秀和システム

    本「崩壊する日本の医療」鈴木 厚 著 秀和システム

    医療崩壊の危機が叫ばれて久しいですが,本書は議論を進める上で良い資料集になると思いますので紹介します。 最初にお断りしておきますが,著者は現場の医師(医師会員?)としての利害から持論を展開しておられます。ですから「医療をサービス業と呼ぶのは間違い です」「『患者中心の医療』という流行語も患者の無制限な主張を正当化する可能性があります」などの言葉に始まり,提言の中で「消費税の目的税化」で医療 費を確保する,「研修医の徴医制度」で強制的に地方に研修医を配属する,「傷病手当金などの廃止」で疾病だけを対象とした保険とする,「ドクターの技術 料」は確保するなどの言葉で終わっています。

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  • 本「『尊厳死』に尊厳はあるか—ある呼吸器外し事件から」 中島みち著 岩波新書

    本「『尊厳死』に尊厳はあるか—ある呼吸器外し事件から」 中島みち著 岩波新書

    後期高齢者問題で,ミスター後期高齢者と呼ばれている官僚が,高齢者の医療が無駄であるとの発言で批判されていますが,これが現在の厚労省の政策の基本的 視点に思えます。これと,「尊厳死」とは紙一重の内容であることは,この本を読んでも明らかになります。ところで,著者はまず「尊厳死」とは,「最期の一 瞬まで尊厳ある生が守られ」ることとしています。

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  • 本「あなたの命にかかわる 薬のいちばん大事な話」 別府宏圀(医薬品・治療研究会代表)著  KAWADE夢新書

    本「あなたの命にかかわる 薬のいちばん大事な話」 別府宏圀(医薬品・治療研究会代表)著  KAWADE夢新書

    1955年頃,腹痛・下痢・下肢の知覚異常(しびれ)・筋力低下・視覚障害などを呈する病因不明の疾患が報告され,亜急性(Subacute)脊髄 (Myelo)視神経炎(Optico Neuropathy):SMON(スモン)と名づけられました。1970年,それまで日本で乱用されていたキノホルムが原因薬剤と判明します。

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  • 本「現代社会保障論—皆保障体制をめざして—」 里見賢治 著  高菅出版

    本「現代社会保障論—皆保障体制をめざして—」 里見賢治 著  高菅出版

    この3月29日に開催される「社会保障拡充をめざす集い」(http://hanhinkon.exblog.jp/i7/)の準備過程で,以前より尊敬していた里見氏のこの本を知りました。期待どおり,徹底的に労働者・市民の立場に立って,現状の社会保障の分析とその解決の方向が書かれていました。また,この種の教科書的な本としては破格にわかりやすい文章で感心しました。

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  • 本「ダルフールの通訳」 ジェノサイドの目撃者 ダウド・ハリ 著  山内あゆ子 訳  ランダムハウス講談社

    本「ダルフールの通訳」 ジェノサイドの目撃者 ダウド・ハリ 著  山内あゆ子 訳  ランダムハウス講談社

    何冊もある新聞の書評欄の中で,なぜこの本に,特に強いメッセージを感じたのか,もう忘れてしまった。スーダンのダルフール地域のジェノサイドが,数あ るアフリカの内紛・部族間虐殺の中で,特別に関心をひいたわけではない。多分,書評にあった,「著者は,過酷な惨劇を目撃し証言しているのだが,著作全体 にユーモアが活きつづけ・・・」に惹かれたように思う。

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  • 本「子どもの貧困」 〜日本の不公平を考える〜 阿部 彩 著  岩波新書

    本「子どもの貧困」 〜日本の不公平を考える〜 阿部 彩 著  岩波新書

    看護師である私の知人が,自分の子どもの通う「大成保育所」(大阪市東成区)を大阪市が民間委託したことの是非を問う損害賠償裁判を,他の子どものお父 さんと共に提訴し(2006年12月),「子どもの権利条約」にも挙げられている「あらゆる施策を通じて子どもの最善の利益が実現されること」を求めて 闘っています。

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  • 本「脱メタボ」に騙されるな! 佐藤 純一,浜 六郎,和田 知可志 著  洋泉社

    本「脱メタボ」に騙されるな! 佐藤 純一,浜 六郎,和田 知可志 著  洋泉社

    メタボリック・シンドローム・キャンペーンに対する力強い批判書が出た。メタボの非科学性の検証,厚生行政の狙い,国をあげた創病への批判,の3部構成となっている。以下,目次を列挙しておく。:

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  • 本「どうするどうなる障害者自立支援法」障害者生活支援システム研究会・編 かもがわ出版

    本「どうするどうなる障害者自立支援法」障害者生活支援システム研究会・編 かもがわ出版

    障害者自立支援法(以下「法」と略す)施行から3年目となる2008年に入って,社会保障審議会障害者部会が再開され,政府の見直し審議が始まってい る。政府は障害者や事業者からの大きな抗議活動に直面して,おもに負担軽減措置やサービス単価の改善など,部分的修正を余儀なくされたが,定率(応益)負 担そのものや自立支援医療には手をつけず,障害の範囲や障害程度区分についてもほとんど見直されていない。

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