本の紹介 Archive

  • 低線量放射線被曝

    いちどくをこの本『低線量放射線被曝―チェルノブイリから福島へ』今中哲二著(NEWS No.447 p07)

    後書きに「稲ワラ汚染で被害を受け借金経営に追い込まれた肉牛農家さん、ホダ木が放射能汚染し廃業寸前に追い込まれているしいたけ栽培農家さんなど」「突然の放射能汚染という″不条理な災厄″に苦しんでおられる話を聞きながら、私にできることは、やるべきことはなんだろう」「去年の3月11日までは『原発で事故が起きたらとんでもないことになりますよ』と警告しておけばよかったのだが『福島後のいま』は」「被曝のもたらすリスクを勉強し」「自分で判断できるように」「知識を提供」とあるように、ベクレル、シーベルトの意味が分かりやすく説明されている。

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  • eyecatch-book

    『低線量・内部被曝の危険性 -その医学的根拠-』

    医療問題研究会の編集で 『低線量・内部被曝の危険性-その医学的根拠-』が出版されました。 日本の放射線被曝の「専門家」たちのほとんどは、非科学的で現実の現象を説明できない、そして原発推進派にとって有利な、逆に放射能汚染にさらされる市民にとって危険な理論をマスコミも利用して押し付けようとしています。 私たちは、低線量・内部被曝は、人体への強い障害性を持つと考えています。そこで、低線量・内部被曝について、被災者や市民の方々が自らの被曝を評価し、生活や運動に役立つ本をつくれないかと考えました。

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  • いちどくをこの本『子ども虐待』(NEWS No.433 p07)

    いちどくをこの本『子ども虐待』(NEWS No.433 p07)

    『子ども虐待』 西澤 哲 著/講談社現代新書/740円(税別) 著者は大学卒業後,心理職として情緒障害児短期治療施設に就職し「虐待」を受けた子どもたちと出会う。5年間の職務ののち,本来は自分をもっとも愛し,守ってくれるはずの親からの激しい暴力や,「見捨てられた」と思えるような体験が子どもに与える心理的影響を理解したいと考え,1985年に渡米する。サンフランシスコ州立大学大学院教育学部カウンセリング学科で学び,虐待を受けた子どもの入所治療施設でインターンとして3年間勤務し,「トラウマという概念」を学ぶ。

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  • いちどくをこの本『隠された被曝』(NEWS No.432 p07)

    いちどくをこの本『隠された被曝』(NEWS No.432 p07)

    『隠された被曝』 矢ヶ崎克馬 著/新日本出版 1200円/2010年7月25日発行 矢ヶ崎氏は琉球大学名誉教授で理学博士の方です。 この本のテーマである「隠された被曝」とは,「内部被曝」のことです。私たちはイラクでのウラニウム兵器問題を通じて,内部被爆問題に深く関わるようになってきました。この本の著者も,私が参加している「ウラニウム兵器禁止条約キャンペーン(UWBAN)」の小山事務局長とのメールをきっかけに,UWBANの産まれた直接の契機であるイラク民衆法廷を通じて,「内部被曝」問題に目覚めた,と書かれています。そのイラク民衆法廷以後の,著者の内部被曝に関する研究の成果を,一般の方にもわかるようにとても平易に書かれたのがこの本です。

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  • b-kouhei

    本「公平・無料・国営を貫く英国の医療改革」(2009年9月)

    公平・無料・国営を貫く英国の医療改革 武内 和久,竹之下 泰志著 集英社新書 680円+税 最近まで,イギリスの医療は,無料だがまともな医療を受けられない。癌の手術も何年も待たされるなど,日本と比べると,とんでもなくひどいという紹介が ほとんどでした。この本は,今の日本の医療に何が求められているのか,という問題意識で,イギリスの医療制度を今までと違い肯定的に紹介しています。

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  • town

    本「やさしいうつ病論」 高岡健 著(2009年8月)

    やさしいうつ病論 高岡健 著 批評社 1500円+税 1987年はサッチャリズムやレーガノミクスなどの新自由主義が登場し,「軽症うつ病」が提唱され,プロザックというSSRI(セロトニン再取込み阻害 剤:新しい抗うつ剤)が米国で発売され,新しい精神障害診断マニュアルのDSM-Ⅲ-R(精神障害の分類と診断の手引第3版改訂版)が出版され,うつ病の 時代に突き進んでいく出発点になった年である。

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  • b-kodomonosaihinkoku

    本「子どもの最貧国・日本」〜学力・心身・社会におよぶ諸影響〜 山野良一著(2009年7月)

    「子どもの最貧国・日本」 〜学力・心身・社会におよぶ諸影響〜 山野良一 著 光文社新書 (820円+税) 以前ご紹介した「子どもの貧困」の著者は厚生労働省政策研究機関の研究員でしたが,本書の著者は15年以上児童相談所で,困窮した生活を強いられている 子どもたち・家族に関わっている児童福祉司です。

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  • 本「後期高齢者医療制度—高齢者からはじまる社会保障の崩壊」伊藤周平 著  平凡社新書

    本「後期高齢者医療制度—高齢者からはじまる社会保障の崩壊」伊藤周平 著  平凡社新書

    力作である。本書を読み進む内に著者の憤りが伝わってきて自分の血圧も上がるような気がした。 第1章は制度の仕組みが中心なので読んでいて少々気が重くなるが,じっくり読むと後期高齢者医療制度の問題点が見えてくる。

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  • b-gyakutaipolitics

    本「『こころ』の問題から『社会』の問題へ−児童虐待のポリティクス」上野加代子 編著 明石書店

    児童虐待問題を扱う報道や書物が数多くあるが,1990年代以降,児童虐待問題は,「貧困」問題をすでに克服した「豊かな社会」の中での「現代的な児童 虐待」「家族病理」といった意匠で語られることが多くなった。問題が家族の病巣にあるとする見方から,家族や保護者個人の「こころ」への手当が志向され, カウンセリングや家族療法を施し個人や家族関係を変化させることが虐待の連鎖を断ち切るのに必要であるという主張となる。

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  • 本「ウェブ汚染社会」尾木直樹 著 講談社+α新書

    本「ウェブ汚染社会」尾木直樹 著 講談社+α新書

    法務省は3月末,学校でのいじめが07年には過去最多だった前年の2.2倍を超える2152件,インターネット上のプライバシー侵害や名誉毀損は前年比 48.2%増と報告している。大阪市教委は市立中学・高校の全生徒約7万人を対象にしたパソコンや携帯電話に関するアンケート調査(回答率86.8%) で,「インターネットの掲示板やブログに悪口を書かれた」「他人に自分の名前を勝手に使われた」「メールで悪口を流された」などの嫌がらせをされたと回答 した生徒が,約7000人いたことが分かった。

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